決着2017

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     史上最多の本塁打が飛び交うシリーズは、どちらが勝つかさっぱりわからない死闘が続いた。特に第5戦は、前田が痛恨のスリーランで同点に追いつかれたことが霞んでしまうくらい両チームの投手みんな打たれまくった。シーソーゲームが過ぎて飽きてくる感すらあり、そもそも投手は打者をどうやっておさえてたんだっけ?と混乱すらしてしまった。

     

     ところが第6戦はバーランダーとヒルの息詰まる投手戦。前の試合であれだけ打ってた連中は、今度は打ち方を忘れたかのごとくであった。で、見事ドジャースが3−3のタイに持ち込み、昨年同様第7戦へともつれ込んだ。
     その素晴らしいシリーズも、最後の最後で大して面白くない凡戦になろうとは。ドジャース打線だけが打ち方を忘れたまま、ランナーは出すが特に策なく残塁という場面が続いて緊張も高揚も乏しかった。「ハリケーン被害を乗り越えアストロズが初優勝」というわかりやすい見出しも、なんだか尻すぼみに感じてしまった。

     

     得点の合計は両チームとも34点で、これまた昨年同様、同点だった。去年のシリーズは、途中に退屈な試合を挟みつつ、第7戦が劇的な接戦だったので結果よければで大いに感動したものだったが、今年はその並びが違ってしまったということか。2戦目や5戦目が最終戦にくれば、大いに満足しただろうから、贅沢はいうまい。

     

     さてナイツの漫才風にいえば、終わった後であのときああすればとかこの選手を使えばとか言うたところで仕方がないあんなものダルビッシュ一人のせいで負けたんだから、といったところである。彼が一度ならともかく、二度もあんな無様な結果に終わるとは。グリエルにブーイングしていたファンがダルビッシュにもブーイングを浴びせていたから、あちらのファンはシンプルである。こういう場面で投げることを想定して、「メジャーリーグに行きたいのではなく行かなければならない」と渡米前の記者会見で言ったのだろうから、その通りといえばその通りの厳しい場面になったし、だから野次の一つも飛ばしたくなる。

     

     まあ好調アストロズ打線は、どこで本塁打が出ても何の不思議もなかったから、個人的にはダルビッシュよりもドジャースの上位陣にストレスがたまった。何かをやりそうな男ターナーは、二連続死球くらいしか何かをやっていなかった(というより「やられる」だが)し、復調を騒がれたベリンジャーも元の木阿弥だった。ギリギリで怪我から復帰したシーガーも、活躍していないことはないが全体的には不発で、ロバーツ監督は投手交代は忙しいものの、打順はあんまりいじらなかった。シーガー不在のリーグ優勝決定戦までは、ころころ先発を入れ替えてことごとく正解する名采配を見せていたから、敗因は打順を固定してしまったことか。それでもシリーズ全体では同点なのだから、不思議である。

     

     日本シリーズは、ホークスがスウィープをくらわすのかと思ったら、横浜が粘っている。1位のチームなんだから、3位のチームなんぞ片手でひねって済ませてしまえと思いたいが、そこはプロ同士というところか。1位同士の対戦でないとどうも素直に見れないから困る。日米とも、今年もプロ野球の季節が終わる。


    くくるはたこ焼き以外危うい

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       ゴンザレス要警戒どころか、Yuは総じてボコボコに打たれてしまった。そして違う意味でグリエルが要警戒、というか要警告になった。

       

       グリエルがダルから本塁打を放った後、アジア人を蔑む目じりを左右に引っ張るパフォーマンスをして問題になった。こちら側からすると、ピンとこない人もいるのではないかと想像する。ダルビッシュは父親がイラン出身なこともあり、顔つきは平均的な日本人よりずいぶん目鼻立ちがキリっとしている。一方グリエルはキューバ出身であるが、おめーの方が目が細いじゃねえかという顔つきで、何だかこんがらがってしまう。

       

       でもそういう個別性を無視したところで存在しているのがそもそも差別偏見の類である。というわかりやすいケースだと思う。ハゲている男性に「このハゲー!」と罵るのは侮辱行為であるが、ときにハゲていない男性に対しても「このハゲ!」とか「あのハゲ野郎」とか罵倒する場面を見かける。これと構造はちょっと似ている。ダルビッシュ個人の顔つきはここではあまり関係なく、「アジア系」という固定化した枠組みを当てはめる。だからこそやる側には「やっちまえー」というような扇動的行為として意味を持つし、社会的には差別行為に認定される。仮に本塁打のあと「どうだみたか」とダルビッシュのリアルな顔まねをしてみせたら(想像しにくいが)、その場合はただのモノマネで、せいぜい挑発行為にとどまるだろう。無論、スポーツマンとしては下品で褒められた行為ではない。

       

       そうしてまた本邦においては、ダルビッシュは日本人離れした顔をしていると思われているから二重にややこしい。その上出自をあげつらう差別も受けている。差別をする側される側双方ともが、グリエルにとっては一括りに「目細野郎」となっており、何と滑稽で馬鹿馬鹿しいことか。

       ダルビッシュが騒動に対して大人の対応を見せたのは、これまでに大小さまざまな嫌な目に遭ってうんざり飽きているからと推察される。その点、頭が下がるところではあるのだが、ダルビッシュを讃えるだけの話でまとまってしまうと、社会にとっては損得でいえば損になると思う。讃える前に、これは海の向こうの話でも己に無縁の話でもないと思うところから始めようや。やらかすという点でもやらかせられるという点でもさ。そうでないと、怒るべき場面に出くわしたときに、私もあんたも怒れなくなってしまうよ。


      左手右手の会議

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         例年この時期のドラフト会議のテレビ中継がすっかり楽しみになってしまい今年も録画して見た。野球選手の将来がかかった非常に重大な「会議」で、今年のように注目の選手がいると外野の我々もその選手がどこに行くのか気になるという点でも十分にニュースバリューはある。のであるが、外形的にはおっさんがくじ引きしているだけである。これは「会議」なのか?という点からして何だかおもしろいわけだが、感じたことが大きく2つあった。

         

         前にも書いたが、どの球団が誰を指名したのかという根本の情報以外に実況することもあまりないので、右手で取ったとか左でだとか、どうでもいいことをさも重大事のことのように言うのもすっかり楽しみになってしまっている。「お!今年は左で行きました!」と実況が声を張ることからもわかるように、手元にはそういうことを記した資料があるのだろう。意味がないものも継続すると意味が出てくる(現に「また言うてる」と見ている俺が笑っている)。新しい価値の想像という広告屋の得意な手法である。中身はちっともないという点も含め。マルセル・デュシャンの問いかけに対し、後世の人間は「便器」以上のものを探し出すことにいそしむことを選択したといえよう。と、結論づけてから思い返してみると、自分がくじ引きを引くときに、利き手以外で引いたことがない。今度機会があれば左で引いてみようと思う。

         

         清宮を引き当てたのは日ハムで、くじを引いたのは初参戦の木田だった。その新参者が「強者揃いの中で見事!」と実況が興奮していたのだが、くじに「強者」なんてものがあるのか。文脈としては、周りはそれぞれ過去に競合に勝った経験があるから人が居並んでいたから、ということだが、「この方も過去に誰それを引き当てた経験があります」と、過去にさかのぼればそりゃ各自あるでしょうよ。真相は、いつも困ったような顔に見える木田の外見にくじ運が想像しにくいからではないかと邪推している。一方で、ぎょろ目が爛々としたソフトバンクの工藤監督はいかにもくじに強そうで、実際過去2年は見事勝利している。やっぱりこういうやんちゃくれみたいな人はツキもあるんだなあと妙に納得させられてしまうところがあるのが、今年は3回も外していた。こうして帳尻が合うんだな。確率論の正しさを思い知らされた。

         

         「大きく2つ」と書いたが、以上が1つめの話で、2つめは解説者についてだ。槇原と、早稲田の元監督という人が実況アナウンサーに同席していたのは、プロ代表とアマ代表という人選だろう。槇原はテレビ慣れしているが、早稲田の人はそうでもないから、「こうなったらもう12球団清宮(指名)でもいい」など何の問いかけにもなっていないことを口走っており、ほとんどテレビと会話している一般視聴者のごとくだった。アマの立場として指名を待つ側の話を語ればいいと思うのだが、気の利かない実況アナがほったらかしで、ちょっとかわいそうに思った。アナウンサー(もしくは制作サイド)も所詮くじの行く末にしか興味がないんだろう。その元監督氏が、「早稲田に来てほしかった」とボソっと言ったのだけが印象的だった。

         

         蛇足だが、阪神ファンはやはりうるさい。金本が2回外して「また〜?!」と悲鳴を上げていたが、それは酷というものだろう。去年の指名の時点で「え〜?」と言われたのよりはマシだろうが、しかし、くじ運が大きく左右する行為だからその時々で局面が変わることだとはいえ、長距離砲を二度外して3度目は投手に鞍替えというのも素人目にはどういう方針なんだろうとは思ってしまう。それで翌日の報道を見ると、「広島は現在の戦力や年次を踏まえて何年も先を見据えて指名選手を選んでいる(から清宮を指名しなかった)」というネットの記事が出ていて、むしろ他の球団は考えてないのかよと思った。

         

         さて海の向こうでは北米2ヵ国だけでワールドを名乗る中華思想世界大会が幕を開けている。第1戦は息詰まる投手戦の中、ターナーの本塁打でドジャースが勝利。第2戦も似たような展開でドジャースが勝つと思わせて、抑えのジャンセンが同点弾を浴びて延長になり、引き離しては追いつくの盛り上がる展開で最終的に7−6でアストロズが勝った。得点のほとんどが本塁打という、ひと昔前の巨人対巨人のような試合であった。土壇場で貴重な同点弾を放ったアストロズのゴンザレスは、以前にダルビッシュが完全試合まであとアウト1つになったときにヒットを打ってご破算にしたことがある。アルトゥーベ、コレアの陰に隠れてあんまり目立たないが、このミスター土俵際には要警戒である。


        縞有無寒暖対決の結果

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           リーグ優勝決定戦は、両リーグとも縦じま×プレーンの対決となったが、どちらも縞なしプレーンが勝利した。

           

           ア・リーグは、縦じまヤンキース対縞なしアストロズ。アストロズの昔のユニホームは横じまみたいなデザインだったので縦横対決でもある。第2戦で1塁走者アルトゥーベがヒットで一気にホームまで生還してサヨナラ勝ちした。外野手が後ろに逸らしたわけでもないので、タイミングは完全にアウトだったが、タイミングだけでは捕殺できないのだとよくわかるバックホームだった。これで一気にアストロズが畳みかけるのかと思ったが、ニューヨークに移ると途端に全員貧打になるわ投壊するわで3連敗。多分寒さのせいだろう。ヒューストンとニューヨークでは、鹿児島と函館くらい緯度が違う。実は今年は両リーグとも、寒暖対決でもある。田中はようやくカイクルに投げ勝った。
           王手をかけられヒューストンに戻ると、再びアストロズ打線が爆発。気候のせいか、それとも両軍ともに内弁慶なのか。最後は目つきが尋常でなく怖い男バードを凡打に打ち取り、アストロズがヤンキースを振り切った。田中には悪いが、今年はアストロズの年であったから、これでよい。

           

           アストロズはこれで、2005年以来のリーグ優勝であるが、前回はナ・リーグでの優勝であった。いつの間にかしれっとア・リーグに移されて、それであんまり波風も立たないのがこのチームの位置づけを表しているのだが、おかげで両リーグでの優勝チームは初。前回は、クレメンス、ペティットのヤンキース移籍組の両先発の活躍が大きかったが、今回もヤンキースから移籍したマッキャンの活躍が光った。ヤンキースを出た選手は禁止されていたヒゲを伸ばすのがお約束だが、マッキャンの場合は松平健の武田信玄を彷彿させる。

           

           ナ・リーグの寒暖対決は、4−1でドジャースが危なげなく勝利し、こちらは気温差(というかこちらもア・リーグ同様季節差のレベル)を全く感じさせなかった。カブスの連覇はついえた。
           ドジャースは、第2戦でサヨナラ本塁打を放った「青チームの赤ひげ」ターナーのフルスイングが見ものである。中村紀洋を思い出す豪快さなのだが、メジャーではバットを放り投げると報復死球を受けるので(新庄で実証済み)、ブンブン降ってもバットは投げない。書いている途中で思い出したが、中村もちょびっとだけドジャースで出場している。ちょびっとなので、あちらでもバットを投げていたかどうか記憶にない。

           

           結果、ワールドシリーズは、縞なし暖暖対決となった。100勝したチーム同士の戦いというのも、なかなか見れるものではない。アストロズが前回出場したときは、井口擁するホワイトソックスにあっさり負けたので、ダル、前田を擁するドジャースが有利か。
           アストロズは中継ぎ以降の投手陣に不安がある一方、ドジャースはK前田とKジャンセンのKKコンビが安定している。加えてドジャース打撃陣は、日替わりでヒーローが登場する点が強い。流石北米一の金満球団は層が熱いというところだが、ころころ先発選手を変えて結果を出す監督の手腕が大きいといえる。対するアストロズの監督は、割と動かざること山のごとし。

           

           以上を総合するとドジャースに分がある印象だが、かつてワールドシリーズで、「青木がいない方」が優勝したことが続いたので(青木がいるロイヤルズ対ジャイアンツでジャイアンツが勝ち、翌年青木を放出したロイヤルズが優勝した)、青木を放出したアストロズには逆呪いがあるのかもしれない。

           

           さて日本でもポストシーズンの戦いであるが、両リーグとも10ゲーム差以上つけて首位のチームが、改めて2位や3位のチームと短期決戦をする意義はどこにあるのか、掛布がテレビで疑問を呈していた。逆にシーズン最終戦で優勝チームが決定する劇的シーズンでも意味は霞むから、ゲーム差が本当に主題なのかよくわからない。
           しかしメジャーも、地区シリーズに進出した4チームのゲーム差は似たようなものである。
           具体的には、アストロズ対レッドソックスが8ゲーム差、インディアンズ対ヤンキースが11ゲーム差。アストロズ対ヤンキースは10ゲーム差。
           ナショナルズ対カブスが5ゲーム差、ドジャース対ダイヤモンドバックスが11ゲーム差、ドジャース対カブスが12ゲーム差である(今年は特にぶっちぎり度合いが激しいので毎年こんなに離れているわけではない)。

           

           ただしメジャーの場合、1リーグが3地区に分かれ、同地区カードが多めに設定されているため、同じリーグとはいえ地区ごとに戦う相手はそれぞれ偏りがある。単純比較はできない。東地区1位のチームが、西地区2位のチームより勝利数が少ないなんてこともある。こういう複雑な事情によって、百何十試合も戦ったくせに短期決戦で勝者が決まる不条理さをウヤムヤにしているともいえる。まあチーム数が多いというのが一番の要因なのだろうが。
           というわけで、クライマックスシリーズの存在意義を云々し出すと、メジャーのポストシーズンの意味も怪しくなってくるところはあるのだが、より面白くするためにと何年かごとに仕組みをいじっている向こうさんの姿勢は参考にしてよいと思う。野球に限らず、一度決まると疑問があってもやり続けるというのは本邦の悪弊の一つであるから、せめて議論くらいはやってしかるべきではと思う。


          地区シリーズまとめ、とカズオとカート

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             リーグ優勝決定戦に進むチームが決まった。
             ナ・リーグは、本命ドジャースが3連勝であっさり通過、といっていいのか、まあまあDバックスに粘られた。エース・カーショウの今後の出来やいかに。昨年先発のくせにクローザーより短いイニングしか投げさせてもらえなかった前田は中継ぎで安定した投球。ダルビッシュは好投したものの頭に死球を投げてしまった。

             

             ナショナルズ対カブスは、シーソーゲームで最終戦までもつれ込み、どっちが勝つかさっぱりわからない拮抗した戦いとなった。半分ほどは、まるで四球を出すために登板するエドワーズJrを筆頭にカブスの中継ぎ陣が不安定なせい。上原不在が響いている。おかげで先発のレスターがリリーフ登板することになって、少年野球より下手くそな牽制を披露する羽目になった。それでアウトを取っているから奇蹟。

             最終戦は、どこからでも本塁打が出るナショナルズが打ちまくっているのに、振り逃げ、押し出し死球、ゲッツー崩れ、相手のエラー等々ひたすらセコイ得点を重ねてカブスが勝ったからこれまたうっすら奇蹟。カブスの連覇はありえるかもしれない。ナショナルズはまたも地区シリーズで敗退したが、東地区を勝ち抜くのにポストシーズンを勝てないアトランタ・ブレーブスの伝統を着々と引き継いでしまっている。「何かをやりそうな男」対決はこれで実現しなくなったが、ワースは打球を後ろに逸らしたくらいしか何かをやっていなかった。長髪ヒゲまではワースと同じなのになぜか全体的にチャラい印象の主砲ハーパーも不発。逆転での敗退に落胆した監督の声が消え入りそうだったので、御高齢なこともあり、健康の心配をしてしまった。

             

             ア・リーグは、アストロズが危なげなくレッドソックスを下した。アルトゥーベは「小柄」がどうでもよくなる打棒爆発の活躍。コレア、スプリンガー、打つべき人間がきっちり打っている。盤石で優勝候補最右翼といえそう。レッドソックスは、ファレル監督が解任された。長い歴史の中で地区連覇したのは初のことらしいのだが、地区シリーズでまた負けたのでクビということか。監督交代でバレンタイン時代のようにまた迷走するかもしれない。


             もう一個の山では、インディアンズとヤンキースが最終戦までもつれ込んで、インディアンズはいいとこなく敗れた。22連勝したくせに地区2位のチームに負けやがって、と思ったが、3戦目で先発してチームを救った田中将は24連勝(色々含めると30連勝)の上手をいく男だった。昨年ポストシーズン中にドローンで遊んで怪我をして登板できなくなったことをいまだ引き合いに出されるバウアーが今年は初戦で好投し、2戦目は大差をひっくり返す強さを見せたくせに、あとの試合はBクラスチームのように静かだった。クルーバー、ミラーが打たれるとインディアンズは勝ち目がない。呪いが顔を出すまでもない敗退であった。

             

             というわけで、ナ・リーグはドジャース対カブス、ア・リーグはアストロズ対ヤンキース。30年近く優勝できてない古豪と、108年ぶりから一転連覇がかかる奇天烈集団、勢いづく重量打線と、番狂わせの常勝チーム(矛盾)、といったところ。優勝回数は突出しているヤンキースは、どうせそのうちまた勝つし、あまり面白いチームでもないので(バードの尋常ではない目つきの怖さは必見)、個人的にはおよびでない。ワールドシリーズがドジャース対ヤンキースだと、日本人投手対決という見出しが立つが、あくまで一要素でしかないトピックがすべてのごとく日本の報道が騒ぐのが目に見えているので勘弁願いたい。

             

             ここでカズオ・イシグロのノーベル文学賞で、またぞろ「日本出身」問題が起こっているのでMLBに無理やり話をつなげて書いておくとする。スズキはスズキでも、カート・スズキという選手がいる。マック鈴木と違い、鈴木和人だから愛称「カート」というわけではなく、日系アメリカ人である。ミドルネームはキヨシらしい。実績はそれなりあるが、スター選手でもないので日本ではあまり知られていない。スズキなのに!と茶化している自分自身がこの選手を覚えているのはやはり「スズキ」だからというのは否定しようがない(別に「カトウ」でも「ヒライ」でも同じ)。

             同時にレンジャーズのバーネット(元ヤクルト)にも目が行くし、それ以上にアストロズのコーチをしているパウエルは中日での活躍を知っているからつい応援してしまう。コーチ、それも補佐だから何を応援するのか自分でもよくわからないが。一方で、ダイヤモンドバックス監督のロブロは一時期ヤクルトにいたそうだが、残念ながら当時を知らないので何かを思うことはない(アストロズのグリエルも同様)。といいつつロブローの語り口を見るにつけ、いい監督(というかいい人)そうなので気になる存在ではある。

             

             そして前田とダルビッシュに対して、なにがしかの親近感のようなものがないといえばウソになろうが、ドジャース投手陣でやはり一番応援したくなるのはカーショウである。投げ方が格好いいのとカーブの曲がり方がマンガみたいなのと帽子のツバが今風まっすぐではないところは見ていて面白い。ロバーツ監督は沖縄生まれらしいが、そんなことより顔が甘利明に似ている方が気になるし、それ以上にやはり、現役時代にレッドソックスの呪いを解く最大のキーポイントとなった9回2アウトからの盗塁を決めたことが印象としては一番大きい。
             要するに、出身で贔屓する感情をことさら否定するのも不自然ではあると思うが、そんなことよりはるかに気になることがいっぱいあるということで、生まれが長崎だなんだと騒ぐよりちゃんと本を読めと、言うまでもない話をぐだぐだ書いてしまった。

            あの長寿連載マンガの秘密に迫る!というような深夜番組でたまたま紹介されていたズバリの一コマ


            10月の展望

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               MLBのレギュラーシーズンが終了した。今年のポストシーズン出場チームは、100勝以上しているチームが3つもある。それだけ多くのチームが負け越しているということでもある。終盤まで優勝争いが続いたのは6地区中1地区だけ。ゲーム差が1ケタに収まったのも2地区だけ。独走の多いシーズンでもあった。

               

               ナショナルリーグは、ドジャーズ、カブス、ナショナルズで、昨年と同じような顔ぶれ。ワイルドカードはダイヤモンドバックスとロッキーズで、こちらは新鮮味がある。ロッキーズが勝たないと、また赤青対決になる。

               爆走していたはずが、9月にまるで巨人のような泥沼11連敗を喫したドジャーズは、ワイルドカードのどちらが勝っても同地区チームとの対決になる。11連敗のうち、3がDバックス、4がロッキーズ。第1ラウンドの地区シリーズは3つ勝った方が勝ち上がるので、どっちにしてもドジャーズは負けてしまう。投手はダルビッシュが鍵を握る。打線は何かをやりそうな男ターナーがキーマンである。というか、表紙を飾ると呪われると噂のスポーツイラストレイテッドの表紙に載ってチームが11連敗したから、すでに1つやらかしている。

               

               反対の山はカブスとナショナルズ。カブスは序盤、前年チャンピオンとは思えない体たらくだったのがいつの間にか優勝していた。不気味であると同時に上原なしで優勝したのでちょっと寂しくもある。ナショナルズは、故障から復帰した何かをやりそうな男ワースが鍵を握る。去年は交通違反で捕まっているからこちらも一つはやらかしている。ドジャーズ、ナショナルズがそれぞれ勝ち上がると、何かをやりそうな男赤青対決になるのだが、青の何かをやりそうな男ターナーは綽名が「赤髭」なのでややこしい。

               

               アメリカンリーグは、アストロズ、インディアンズ、レッドソックスで、こちらもあまり変わり映えしない。ワイルドカードはヤンキースとツインズ。ツインズはポストシーズンでヤンキースに勝ったためしがないので、インディアンズ対ヤンキース、レッドソックス対アストロズということになろう。昨年カブスに惜敗してチャンプを逃したインディアズは、終盤で22連勝。甲子園で2回優勝できそうなくらい負けなかった。

               今年はアストロズの強さが注目されたが、青木放出によって日本であまり報道されなくなったので、夏以降の印象があまりないが最も強打のチームになるだろう。「背が低い」というだけで勝手に日本人から親近感を抱かれているアルトゥーベは200安打を達成している。本塁打も20本以上打っているからMLBで最も打つ男といっていいかもしれない。こんな実力者に親近感など抱けるはずもないのだが。

               

               インディアンズには、昨年カブスから引き継いだ呪いの除去がかかっている(呪いの犖偽Л瓩任△襯錺奸悉仰垢離沺璽は変わらず使用中)。ドジャースも実のところ金持ちのくせにほぼ30年優勝できておらず、すぐヤンキースに負けるツインズより期間が長い。アストロズは1962年の球団創設以来優勝経験なし。この3チームが100勝以上なので、いずれも悲願がかかっているといえよう。個人的にはこれら以外のチームが勝ち上がるとちょっと白けるのであるが、例年予測がつかない上、どこもたいていいい試合をする。楽しくかつときに心臓に悪い球秋到来である。


              はぐらかしつつその話

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                 なんとまあ劇的な一打だった。あわや完全試合というノーヒットピッチングを続けておきながら、味方が得点してくれず、延長10回でとうとう被弾してサヨナラ負け。


                 もちろん、ドジャース対パイレーツの話だ。とひねくれはぐらかしてみる。
                 今年大注目のアストロズが快進撃を続ける中で、気づいてみたら、両リーグ最高勝率はドジャースになっていた。4年連続地区優勝しながらワールドシリーズに届いていない、まあいってしまえば花咲徳栄みたいなチームだから、もうそろそろ花咲徳栄同様、チャンプになってもよい。今やヤンキースを凌ぐ金満球団になっているから、結果を出さないとちょっと恥ずかしくもある。

                 

                 そういう中で財力を活かし、注目のあの選手を獲得してさらに強力布陣になった。
                 もちろんメッツから移籍のグランダーソンのことだ。とまたひねくれてはぐらかしてみる。ウェスリー・スナイプスにちょっと顔が似ているので、かの古典的野球映画を思い出す見ていて楽しい強打者だ。背番号がピッチャーに見えるくらい上半身をねじる構え方も恰好いい。

                 

                 問題は、レギュラーシーズンをぶっちぎりで勝ち抜けても、ポストシーズンであっさり負ける例はいくらでもある点だ。ドジャースはこのままいくと、シーズン116勝の記録を持つ2001年のマリナーズを超える勢いだが、2001年のマリナーズってそんなに強かったっけ?と記憶から消えかかっているのが悲しい現実だ。シャンパンを開ける機会にちっとも出くわさないイチローのMLBキャリアの中で、唯一はしゃげたシーズンである。このときはリーグ優勝決定シリーズでヤンキースに敗れたが、そのヤンキースはワールドシリーズでダイヤモンドバックスに劇的に敗れた。劇的過ぎてマリナーズのことはすっかり忘れてしまった。球汚れなく道険し。

                 

                 ポストシーズン以上に一発勝負トーナメントに日々いそしんでいる高校球児の今年の戦いは、日程の条件その他で珍しく二度見に行った。二度観戦したのは、敦賀気比がベスト4までいった大学生のとき以来だ。あのころ呑気に球場に向かっても余裕で入れた記憶しかないが、今時は、少なくとも内野席はあっさりあきらめたくなるほどチケット売り場に大行列(というより大群衆)ができている。
                 最初に見たのはベスト8で、いずれも競り合いを制したチーム同士の対戦だったが、割とどのカードもワンサイド気味のゲームだった。満塁打が飛び交うような打力の向上で、エースの連投にはもはや無理があるのかもしれない。馬渕作戦ももう不可能なくらい、誰も彼も打ちまくる。そんな爛廛躄臭瓩進む中で三本松の健闘はまぶしいが、「三松×二松対決」で力を使い果たした印象もあり、東海大菅生戦では、土佐丸高校のようなチャレンジングな戦い方を工夫してもよかったのではないかとも思いつつ。

                 プロ球団大阪桐蔭が「それでもミスで敗退したのは高校生らしい」と思った人もいると思うが、塁審と走塁コーチ以外、誰も気づいていない「セーフ」が響いて敗退するのは、どちらかというとメジャーのポストシーズンで見かけるような種類の「劇的」のように思う。

                 

                 ベスト4は再び接戦となり、決勝を見に行ったが、またもワンサイドに終わった。決勝を見たのは初めてで、特別な場だから、何対何でも楽しいものだ。「講評」も聞けたし。見るたびワンサイドになっていたので、わが身が雨男ならぬワンサイド男なのではないかと自意識過剰がむくむくとしてくるのだが。

                 

                 ところでベスト8を見たときに、天理の吹奏楽の格の違いに驚いた。全く意識して聞いてはいなかったのに、球場全体に突き刺さるような金管の高音にまずやられ、太鼓・シンバルのドラムのような凝った打撃に舌を巻いた。特にヒットが出た後のファンファーレがすごいと思ったら、あの定番を作ったのが天理なんだってね。ライブハウスのリハーサルで、めちゃくちゃ上手い対バンの音に委縮しきりのわが身(われがバンド)を思い出したが、元から灼熱で汗だくなので変な汗が出たどうかはわからない。


                頑張れ喪中球団

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                   球春到来。田中、ダルビッシュ、前田、岩隈、田沢、みんな打たれまくったので、新しい環境に戸惑う国民が多い春の時期、彼らも同じ人間だとわかるのはある意味勇気の出る炎上祭りだったといえよう。一人上原だけが年長者の貫禄を見せつけたが、レッドソックスを出た選手は大抵活躍するので今年も頼れるに違いない。あれ?田沢は・・・。

                   

                   今年の注目は世間的にはアストロズだ。伸び盛りの若手が多いところに狡猾なおっさん選手を補強して厚みが出た。4年前にナ・リーグからア・リーグに転籍させられたけど特に波風も立たない地味なチームであるが、世界初のドーム球場を持ったチームでもある。屋根をつけたのは「やぶ蚊がひどかったから」という意外な理由のがクイズ番組でも出ていた記憶があるが、アメリカではドームはすっかり流行らなくなったので現在は使われていない。今の本拠地はミニッツメイドパークという。「宇宙」の壮大さからは正反対ともいえそうな身近な商品のブランド名を冠した球場であるが、ロケットもジュースもどちらも荷重/果汁の計量が大切ですよねずっちです。

                   

                   狡猾なおっさん選手の中には我らが青木も含まれるが、試合には出たり出なかったり。ま、彼はやってくれるでしょう。ところで、アストロズには、身長が168僂半柄なことで有名な、そして昨季最多安打のアルトゥーベがいる。この選手を日本のメディアが紹介するとき、「小柄な選手がここまで活躍するのは日本人にはうれしいですね」などという定型句がつくことがしばしばだが、日本人メジャー選手の身長は、ダルビッシュ196僉田中191僉岩隈191僉⊂絽188僉∩暗185僉▲ぅ船蹇180僉田沢180僉青木でようやく175僉

                   

                   個人的な注目は、ア・リーグがロイヤルズ、ナ・リーグがマーリンズ。どちらも昨年までのエースが事故死した喪中の球団である。悲しみを力に変えろ! とはいえ、選手の死亡とチームの優勝は、過去の記録ではあまり相関関係は見られない。残念ながら。ちなみにかつて日本は、アテネ五輪で長嶋監督が脳梗塞で倒れて別に死んだわけでもないのに弔い合戦だ!的なノリで金メダルに挑みウイリアムズにねじ伏せられたものだった。浪花節ではなかなか勝てんもんすよね。

                   

                   ところでしかし、マーリンズに移った田沢はユニホームが似合っていない。ユニホームが似合わない日本人選手の代表格は松井秀喜だが、黒ベースのユニホームが似合わない日本人選手は初。

                   

                   ロイヤルズのラウル・モンデシーは、野茂がデビューしたころドジャースの主軸だったラウル・モンデシーの息子。素行不良気味のトラブルメーカーだったが、息子はいい人っぽい外見をしている。そのせいか、守備は上手いが打力はまだない。ついでにそのころ一番を打っていたデライノ・デシールズの息子デライノ・デシールズは、レンジャーズにいる。こちらは父親に似ている。子供に同じ名前をつける感覚がよくわからないが、息子と気づきやすいのは助かる。いや困っているわけではないのだが。しかし、メジャーはボンズしかり、グリフィーしかり、スウィッシャーしかり、息子が活躍するパターンが非常に多い。逆に日本はなぜここまでないのだろう。むしろ野球は遺伝子ではないという清々しい話に思えてくる。

                   

                   ヤンキースは今季、大物(おっさん)選手たちが引退、移籍で一気に若手中心の地味チームになり、まあそれでもチャップマンが出戻ったり、ザバシア、エルズベリーは居残ったりしているので、広島というよりは中日みたいなチームになった。中日と違うのは、どうなったってここは勝つんだが、若手が育ってやがて常勝チームになる入口を、今年は見ることになるのだろうか。


                  盤石の強者、脆弱の強者

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                     前回準優勝で、今回優勝候補といわれ全勝で決勝に進んだプエルトリコと、ようやく本気を出したアメリカの注目の決勝。全員金髪にして結束力を見せるプエルトリコは、さながら帝国軍に挑む同盟軍のようであったが、結果は帝国のボロ勝ちだった。結局、アメリカが本気で人選するとあっさり優勝してしまうというあたり、大会にとっては実にマイナスといえる。早速、前回とは違うことを言い出している偽主催者であるが、アメリカが今後、「ね、わかったでしょ。後はみんなで好きにやってね」とばかりに、またもやお茶を濁した陣容に逆戻りしないことを祈るばかりだ。

                     実のところ、名簿上は最強布陣だったのはドミニカだったと思うが、こちらもアメリカに負けてしまった。カストロが死んで弱体化したキューバの代わりに、ドミニカ、プエルトリコ、ベネズエラのどこかを日本側のブロックに入れないと、ア・リーグ東地区のようになりそうだ。

                     アメリカはストローマンが出来すぎだった。野球はピッチャーの出来がよすぎると、攻撃側はやることがなくなる。昨季は9勝だったか。大投手というわけでもないが、こういう3番手4番手の投手の方が、レギュラーシーズンと関係のない試合では、エース級よりガツガツと積極的になるのかもしれない。ま、メジャーで最もゴロを打たせる投手なので、その実績通りといえばそう。

                     イチローのおかげで日本で最も知られているのはスタントンのような気がするが、この人は驚異的なパワーの割には大事なところであんまり打つ印象がない。やっぱりあんまり活躍していなかった。

                     プエルトリコの主砲ベルトランはヤンキースに在籍したことがあるが、ヤンキースを辞めた選手は禁止されていた髭を伸ばし出す傾向がある。彼の場合は薄毛のせいか頭は禿頭にしていたので、伸ばした髭のお陰で金髪結束に漏れずに済んでいた。日本の実況は、ベルトランとベルトレー(ドミニカ)の区別がついていなかったが(あとジャイアンツにはベルトという選手もいる)、それくらい日本以外のチームには興味がないくせに、「千賀の投球をメジャーが絶賛」とか、自分褒めのときだけ外国を引き合いに出すのは、「日本には四季がある」と自慢したいときだけ普段気にもかけない雪国を引っ張り出すあさましい心象に通じる。と同時に、メジャーとの比較級でしか「俺たちナンバーワン」を語れないという点、「日本辺境論」そのものであるとも思う。日本はよかったが反省点もいくつかあった、で充分じゃないか。

                     さて被ゴロ製造機ストローマンの前にコレアもモリーナも沈黙していたそのころ、関西では郷土の工大福井が熱闘甲子園であった。そして同じくそのころ東京の国会では、米国銀河帝国軍同様、圧倒的勢力を誇る与党(とその予備軍)が大阪の変なおっさんを悪手悪手の連続で攻めあぐねていた。気色の悪い差別感・教育観の持ち主を軸とした利権の(だか何だかよくわからないがとにかく関係者がことごとく向山以下の大根芝居の見本市を繰り広げる)構図がただでさえうんざりさせられるというに、この奇人を悪役にすることで逃げ切りを図りたい側の、このおじさんがマトモに見えてしまう「へたくそか」感。

                     確かに、この国会中継に注目させないために、国民注目の工大福井の試合に日程をぶつけてきたのは賢明な判断といえよう。あれ?雨で日程がズレて元は明徳だったの? それをいうなら早実だろう。(明徳は、再び連続敬遠をするのかとひっそり書かれていたが、必殺技はなかなか出さないものさ)


                    改革が必要なのは教育じゃなくて走塁

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                       日本と韓国しか本気じゃなかった世界大会も、どこが勝つかわからなくなってきてようやく見ごたえが出てきた。日本が負けたのは残念だが、大会的にはこれでいい。まるで主催者のような物言いだが、WBCが始まる前から、各国の仮想代表チームをノートに書き付けて、ベネズエラが意外と最強じゃないかと思っていたオタクにつき、まるで主催者のような物言いをするのである。日本だって連続優勝して、ついでにメジャー組が出られず、ついでに大谷も離脱でこの大会にちょっと倦んでいたはず。韓国はファンも選手も倦んだままなのがたたっていいとこなく負けたのだと思う。日本は選手の意外な頑張りで注目を引き戻した印象だ。かつての世界最強キューバの弱さは寂しいものだったが、カストロが死んだせいだろう。

                       ノートの前で夢想していたころ、プエルトリコはキャッチャーだらけな一方、内野の層が薄いという選手層に著しい偏りがあったと記憶しているが、現在はリンドー、コレア、すばっしこい好守だけ、と思わせておいて長打もあるカリブの菊池ことバイエスと、オールスター級の内野手が現れ、すっかりたくましくなった。同時に相変わらずキャッチャー文化は健在で、モリーナがチームを率いる。古田によるとアカデミーの生徒250人中50人が捕手志望というから、将来的にも捕手の国のようだ。なにげにコーチ陣も、デルガド、バイエガ、ゴンザレスとかつてのスター選手が多く、まさに夢想していたころの代表チームである。彼らと対戦した野茂が始球式に現れたが、腹が出過ぎてトルネードできなくなったせいか、200勝投手とは思えない大暴投だった。75歳にして甲子園で見事なストライクを放った王さんを見習ってほしいものだ。

                       さてようやく本気になって選手をそろえたアメリカとの大一番だった。さっそく1番のキンズラーが日本の野球ファンの前にお目見えした。注目してほしいのは当然、ズボンのはき方である。先発のマスクをかぶったのはポージーで、こちらも注目。メジャーナンバーワンの、なで肩捕手である。これで強打者。盗塁阻止もまあまあ高い。

                       アレナドはMLBきっての強打者と紹介されていたが、ろくに活躍できていなかった。所属するロッキーズは本拠地が高地にあるため球が飛びやすい年がら年中ドームラン状態の球場であるから、下山すると心もとないのである(偏見)。

                       ピッチャーは先発の大物どころは招集されなかったが、ミラーがいる。身長2mの鈴木啓示。余計わかりにくいが、とにかく去年のポストシーズンでは、最終戦以外どのチームの誰も打てなかったから、ある意味現在メジャー最強の投手だ。このミラーの投入が遅れて、まんまと菊池に一発を浴びた。監督のリーランドは1700勝の名将だが、ポストシーズンではまあまあ負けているので一発勝負には弱いといえる。ただし1度だけワールドシリーズを制したときは、スターを買いあさったマーリンズ時代なのでオールスターを率いるのは得意ともいえる。どちらにせよ40代のころから外見が変わっておらず、昔から爺さんみたいな風体だった米球界の笠智衆。威厳はあるが動きはひょこひょこ可愛らしい。

                       日本もミラーはやはり崩せなかった。ついでにメジャー屈指の変な投げ方投手ニーシェクが日本と筒香に衝撃を与えていた。一方の菅野、千賀も堂々の投球であった。菅野といえば、すっかり「完」なのが先月以来の日本列島で、粘っこい取材には頭が下がるが、彼の独壇場というのはそれはそれでどうなんだというところもありつつ。その中で別の菅野の活躍は、俺の中で勝手に中和されたのであった。

                       拮抗した試合は、メジャー得意のゴロでも突っ込んでくる走塁で決した。注目すべきは松田の守備ではなく三塁ゴロでも構わず走った走者で、こういうhigh-stakeなプレーがメジャーの特徴で、ファンからすると楽しいので日本も真似してほしいと思っていたが、まさにこれで負けたので日本プロ野球の喫緊の課題としておこう。



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