展覧会の感想(ではない)
開館した大阪中之島美術館に初めて(ようやく)行った。
「佐伯祐三展」。前にも見たが、初めて見に行くにはちょうどいい画家だろう。大阪出身の画家なので。「15年ぶりの大回顧展」という謳い文句を見て、まさか前に観たのが15年前か?と驚いたが、本ブログを検索したらその通りだった。2008年に行っている。「あれがもう15年前」というよりは、「2008年から15年たっている」ということにピンと来ていない。
前回の自分の記述を読み返すと、結構感動している風な内容になっている。確かにそういう記憶はある。今回は「今一つ」という感想で終わった。
前回は、画家の一生をたどりながら見たという感覚が強かったが、今回はそこが希薄だった。加齢のせいで新鮮な驚きと縁遠くなってしまったせいかもしれない。そのくせ「年を取ると涙もろくなる」は本当なんだよなあ。
最近は美術展に行く目的が「Tシャツを買う」になっている。本展覧会は、有名な郵便配達員の絵を、線画のイラストにリライト(リドロー?)したデザインで、なかなかよくできている。買って帰ってさっそく着たら、色が悪いと気づいた。クラフトの封筒のような薄い茶色。ちょうど自分の皮膚の色と同じなので、裸に郵便配達員の絵を描いているような、どうかしている(=同化している)輩に見えてしまう。
早速染めた。
ここ数日、久々に染色をしていた。最初に染め物に手を染めたのは何年前だったのだろうと検索したら6年前だった。どこか安堵した。あれから何度かやって、失敗もしたので多少は要領を覚えたような気がする。
市販の染料は、英国のダイロンと、京都の「みやこ染め」の2種類が売っている。後者の方が色の種類が豊富で値段も安い。ただし、ダイロンの方が綺麗に染まって持ちもいいような気がするが、こちらの染め方の問題かもしれない。
いずれのメーカーも、熱湯を用いるのとぬるま湯でよいのとの2種類がある。みやこ染めはどちらも値段は一緒だが、ダイロンは両者の価格差がまあまあある。ついでにダイロンは、ぬるま湯の場合は使う塩の量が格段に多い。塩は触媒として作用するらしいのだが、触媒は本体の量より少ないイメージがあるところ、水戸泉ばりに投入しないといけない。熱湯を使う方のは、大さじ3杯程度なので、「触媒」のイメージに近い量で済む。ただし、熱湯だと用意するのがやや面倒だし、染めるのも厄介。熱いから。
染料を溶かした湯の中に衣類を投入したら、洗濯のごとくしっかり揉んだ方がよい。説明書にもそう書いてあるが、これまではついサボってしまっていた。説明書の指示通り、しっかり揉み込みかき混ぜていくと、綺麗に染まる。染め終わったら、一旦すすいで、今度は色止め剤に浸す。結構面倒くさい。
同化していた佐伯のTシャツは、期待通り、なかなかいい具合の辛子色になった(黄色が元の黄土色と混じって少しくすんだ具合になる)。黄ばんだ白シャツを藍に染めたら、想定外のしゃれた具合になった。繊維の違いで、襟と袖口、ボタン周りがあまり染まらなかったせい。
- 2023.06.21 Wednesday
- 展覧会
- 01:07
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- by 森下淳士