完璧な人生

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      葬儀の日は朝から晴れて、お陰で路面がカチンカチンのツルツル。車が滑って滑って大変だった。そのうち遠慮なしに雪が降り出す。しんしんではなく、ボウボウである。

     伯父さんは84年前のこの日に生まれたらしい。昭和2年。元年が年末の一週間程度しかなかったことを考えると、昭和史を丸々生きた人ということになる。
     死ぬ覚悟で出征して出撃前に8・15を迎え、以後の人生は日本の復興とともにあった。歴史書に名前なんぞが出てくるはずもない“路傍の石”であるが、今の日本を作った無数の人の一人であるのは間違いなく、こちらとしては頭を下げるしかない。
     「小さいころ遊んでやった」孫のK君は、「小さいころからお爺ちゃんみたいな大人になりたいなと思ってて、それは今でも変わらないすね」と屈託なく言う。うーん、何というか、つまるところそれが全てなんだなという世代間継承である。伯父さんは、これまた何というか、完璧な人生を生きたんだなあと思う。

     84年前の今日も、雪がボウボウと降っていたのだろうか。火葬場へと向かう、無粋に寂れた田舎の幹線道路を葬儀場のバスに揺られながら、何かそんな物語を書いてみてえなあと思いつつ、それって高村薫の「晴子情歌」やないかと思う。

     会食もそこそこに中座して、兄貴の車に揺られながら大阪へと戻る。雪が激しくて往生した。名神に合流しても雪は続いていて、ようやく景色から雪が消えたのは野洲あたりだった。ほとんどの新快速が野洲止まりなのはそういうことか。

     車は第二京阪から奈良方面へ。途中、松井山手のマンション群が見えて、結構な未来都市だなあと思う。俺は適当なところで降ろしてもらい、電車で日本橋へ。夜から相内劇団の練習である。

     「いや〜大阪は暖かいなあ」と裏日本風をフカしたかったが、大阪も寒かった。相内氏が小道具をあらかた用意してくれたので、「喫茶店のマスターの作業」を段々体が思い出して来た。今回も何やかしいうて、まず段取りありきの役どころになりそうだ。

    「souvenir-episode3」

    ■日時
     2月15日 18時〜 / 20時〜

    ■場所
     in→dependent theatre 1st (地下鉄堺筋線・恵美須町駅最寄)

    ■料金
     1500円

    ■出演
     森下淳士、諏訪いつみ(満月動物園)、河上由佳(同)、西出奈々(彗星マジック)、
     白木原一仁(ななめ45°)、伊藤由樹(突劇金魚)

    ■問合せ
    cc@at-will.jp


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