朗読劇ひいては芝居の可能性

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      「アラビアの夜」という舞台を見に行った。喫茶店芝居で共演した白木原さんが出演していて案内が来たからなんだが、ドイツの戯曲(それも古典じゃなくて現代の)の朗読劇という、ちょっと変わった毛色のものだから、興味が湧いたという次第。

     場所は、中崎町にあるイロリムラ。初めて訪れた。最近、こういう小さな劇場というかフリースペースというかがちょこちょこ出来ているようで、たまに受け取る芝居の案内も、知らない場所が多い。いいことです。JRの高架下なので、最近流行の空き倉庫利用みたいな感じかと思いきや、ちょっと趣向が違ってて、なかなか魅力的な場所でした。

     会場は20人も入れば超満員くらいの小さな箱で、白壁にフローリングと、地方の真新しい美術館のような趣き。こういう場所は上演できる作品を選ぶものだけど、今回の作品に関しては、雰囲気がはまっていた。いわゆる劇場ほどカチっとはしてなく、カフェ芝居のように、煩雑でもない、制作意欲をくすぐられる場所ではあります。

     マンションの住人とその関係者計5人の男女が織りなす、一種の不条理劇。構成が面白いと思った。登場人物同士はたまに会話もするが、割とそれぞれ単独行動でマンションの階を行ったり来たりする。舞台上には木枠で横線が引かれていて、手前が1階。奥へ行くほど上層階になる。マリオブラザーズかクレイジークライマーみたいなものである。こういう舞台美術なので、1階に下りたり、8階に上ったり、同時並行に行動している各登場人物全員が、同じ板の上に乗れる。現実世界の3次元を、記号的に違う形に変換できるのは、舞台だからこそ出来るという、大きなの魅力の一つですね。

     とはいえ、舞台を階層で細切れにしている分、役者はそんなには動けない。その辺が朗読劇とマッチするということだろう。朗読だから、棒立ちでも違和感がないからだ。

     ただ、朗読劇というのはどこまで演技をするかというのが難しい。出演陣はそれぞれ、ただの音読のように振る舞う人と、本を手にしながら、それなり演技をする人といて、その辺の統一感はバラつきがあったと思う。あと「裸同然で寝ている女性に周りの男が欲情する」という話の流れなのに、肝心の女優が、割と露出感の低い衣装だったのはさすがに気になった。ホントに裸同然の格好だとさすがに落ち着いて見れないものですけどね。

      タイトルのような踏み込んだ話にまでたどり着かないまま終わる。
     

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