よく聞かれますが本編の掲載はありません

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     随分間が空いたが、本日発売の今月号に、再びの次点大介の拙作について、選評が載っておるので是非ご覧あれ。審査員の3人のうち、1人はやたらと褒めてくれているので全文ここに書き起こしたいが、そういう品のないことはやめときます。自分が面白いと思って作ったものを、他人が面白いと言ってくれるのは幸せなことです。それが人気の作家先生となれば尚更です。もうすでに5回ほど読み返した。みっともないですね。でもまあいいじゃないですか。

     もう一人の先生は、「今回最も論議を呼んだ作品」と記しておられる。最大の褒め言葉ありがとうございます、と、褒められて嬉しいといったハナから強がってみる。

     でも議論のわかれる作品というのは、文字通り、「議論のわかれる作品」という、いわゆる「問題作」な場合もあるが、大抵はうまくいってない部分があるだけのことだと個人的には思っている。というのも、ほどほどの出来の脚本で舞台をやると、こちらの意図を好意的に汲み取って「面白かった」とアンケートに書く人と、こちらの不出来さのせいで意図するところがうまく伝わらず、「面白くなかった」と書く人とが半々になるからである。で、広げた風呂敷がデカいと、その輪郭が余計に際立つ。なので「議論のわかれる作品」は、響きは格好いいけど、そんなにいいもんでもないんですよ。ただその不出来さが、審査員各氏の指摘する通りなのかどうかは、また別の話である。

     とりあえず、評価の芳しくなかった審査員も「高村薫を連想させる」と書いておられるので喜んどくとします。いいところだけ読んで喜んでる馬鹿のようですが、出来てない部分の出来てなさについては、自分が一番よくわかってるもんなんですよ。じゃあ最初から直して応募しとけってね。あと「長い」と2人から言われているので、「ラッシュ」を見て勉強しようねというところである。

     選評の中で軽く紹介されているので、拙作の概要を簡単に説明しておくとします。北朝鮮の野球のナショナルチームが、親善試合のために来日するというお話です。サッカーじゃなくて野球というところがミソです。国が国なので、日本側も北朝鮮側も当然、なにがしかの隠微な思惑だの深謀遠慮だのが付きまとい、ついでに在日コリアンや脱北者といった人々にも様々な感情の高ぶりをもたらし、そうして物語が転がっていくわけですな。今のご時勢ですから、勝手に「問題作」になるようなお話です。でも政治でも諜報でも戦争でもなく、繰り返すけど、野球というところがミソです。
     
     と思わせぶっても、今んところ世に流通していないので詮無い話でありますが、この雑誌が売っているコーナーの表紙背表紙を眺めていると、朝日利権にどっぷりはまっている雑誌ばかりで、「安い商売しやがって」と言い掛かりのひとつも出てくる。まあ、WiLLなんか桁違いの売れ行き(聞いて「ホンマすか!」と驚きつつ正確な数を忘れてしまった)を見せているらしいから、笑いは止まらんやろうし、商売としては正しいのかもしれんけど、図書館のネチネチおやじのような面倒臭い人間が、そういう言説の拡散によって増殖する可能性についての十分な自覚は最低持っておいて欲しいとは思う。

     朝日の誤報は、記者があるストーリーに乗って取材内容を色眼鏡で見た結果、というような種類のもので、ほとんどの誤報はそうして起こる。誤報は誤報としてしかるべき対処をするものだとして、ここでの問題は、その色眼鏡がステレオタイプではなかったかどうかということだと思う。というのも、型にはまったような構図ではとらえきれないものが往々にしてあるのが現実というものであるし、そこに現実と向き合う醍醐味があるからである。

     新聞やニュースがしばしば批判されたり嫌われたりするのは、そこの「型」が鼻につくか、手あかがついているからで、これは朝日に限らず、全紙そう。ついでに朝日叩きも、それ自体もそうだし、勝ち馬に乗る的な方法が、手あかのついた型だ。心ある現場の人間は、テンプレートのような型からの脱却を渇望しつつ方策が見いだせないことにイライラしているのが常である。産経とて、反朝日がまずテンプレートのようにあるので、論旨が破綻しているなんじゃそら記事も散見する。それがあまり表だって批判されないのは、残念ながら朝日と産経の格の違いが自覚的にか無自覚的にか漂っているからで(つまり朝日叩きが大盛り上がりすること自体が、朝日の地位を裏付けているという皮肉な構図)、「ま、産経だから」でおそらく終わっているからだろう。産経の現場の記者は、温厚でマトモな人が多い。聞くところによると上層部には朝日シンパも少なくないとか。だから余計プロレスみたいなノリなのかもしれないから、目くじら立てるだけヤボみたいな空気もあるのかもしれんが、だけどいい加減、そうもいうてられないと思いますけどね。

     いずれにせよ、そういう事情で「安い商売しやがって」と、賞のような大規模なものであれ、舞台のようなミクロのものであれ、あれこれと高い要求に晒される身としてはやっかみの7つや8つは出るんである。

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