色々と祝

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     謹賀新年度。
     学生相手の仕事をしているので、3月31日から4月1日への、切り替わりの感触は大晦日―正月間のそれと同じくらいに感じられる。特に、昨年、今年と、2年連続で200枚以上の紙束を突っ込んだ角封筒を抱えて、疲労困憊夜の郵便局に飛び込んだから、手前味噌ながら「今年もご苦労様でした感」ひとしおだ。開いててよかった郵便局。たまに窓口の横の机で、原稿の最終チェックをしていたり、結末部分をパニック状態で書いている人がいるが、今回は角封筒を発送している人間すらいなかった。

     脱稿、という行為を何度か経験したが、毎度毎度、舞台の本番を終えた翌日とほぼ同じガス欠のような体調になる。どちらも経験がないという人の方が多いと思うのでちっとも伝わらないと思うが、要は滅茶苦茶疲れた、ってことだ。

     そういう体調のまま、仕事で神戸方面へ行く。何かを片付けると、贅沢がしたくなる。昼間からステーキランドでステーキでも食うてやろうかと考えたが、案の定客が列をなしていたので、諦めて隣の中華料理屋で麻婆豆腐を頼んだ。塊から挽肉になった。

     テレビでは入社式という極めてクールジャパンな儀式のニュースをやっていた。俺の知った学生たちも、それぞれどこかで整列しているのだろうかなどと想像するが、以前に担当していた専門学校校舎での講義と違い、学生個々人との接点が非常に希薄なので、あのころに比べて接する学生の数はべらぼうに増えたが、ほとんどの人の進路を知らない。

     そうして電車に揺られて某大学に到着すると、予想通り入学式をやっておったようで、普段相手にしている学生諸君はとても大人なんだなと再確認させられる一年生若人と、その父兄がいる。この大学には、設立者との関係から、王監督のユニホーム(背番号89)がガラスケースに入って展示してあって、普段学生は何も気にしている風はないのだが、さすが父兄は盛り上がって写真を撮っていた。

     そうしてまんまと観戦出来なかったのが選抜の決勝戦。色々と感慨がある。
    大学生のころ、ベスト4(1995夏)まで行った話は前にも書いた。例えれば、W杯で日本がベスト4まで行くのと同じような興奮があったものだった。その後、不祥事による低迷を挟んで、春でも夏でも、最高甲子園でベスト4まで行った。こうやって実績を積んできたから、優勝という結果はミラクルとかでは全くなく、妥当な線だというのが、時代も変わったなあと思う。祝杯だと理由をつけて呑みに行ったら、あれ?福井って初優勝なんすか?と言われたくらいだ。優勝するというのはそういう積み重ねの上に成り立つものなのだろう。ま、特に選抜の場合は、ぽっと出が優勝することもあるし、前回決勝に進出した78年の福井商などその一つだと思うが。この輝かしい戦績のせいか、ムバラク大統領ばりの長期政権を築いた監督は、地元では何かと憎まれ口を叩かれる人でもあったので、記録が更新されたのは、当人も含めた全員にとってよかったんじゃないでしょうか。

     それにしても、飲み屋の店主が総じて試合を見ていて、「決勝に相応しい好ゲームだった」とかなんとか、皆、高野連の戦評よりははるかにまともな一家言でもって論評していたり、「さっきまで、甥っ子が大阪桐蔭の選手というお客さんがいた」とか「甥っ子が奈良大付属の選手というお客さんがいた」とかで、なんだかんだで野球文化の高い土地柄なんだなと思わされる。
    この高校、県大会を開いても、初戦がのっけからベスト4状態で始まるアーチェリーの、その四強の一角でもあったので、個人的に、うっすらとした縁がある。ハタモリさんとかオバタさんとかお元気でしょうかね。

     野球に話を戻すと、地元では県外出身者だらけ、というのはどう評価されてるんだろう。エースが地元(個人的には俺と同じ中学出身らしい)ということで、その辺の話はクリアされてるんだろうか。まあ、福井なんて、昔夏の甲子園が一回戦を東西対抗にしていたころは、一年ごとに東側、西側を行ったり来たりするし、名古屋圏の辺境でありつつ(国の出先は大体名古屋の管轄で、NHKも名古屋放送局管内、中日新聞が売ってる)、関西の天気予報では端っこに映ってて、京都の伊勢丹でしこたま買い物をするという地域性の低い、もといボーダレスな県なので、どこ出身だとかいちいち気にする必要もないのではないかと思う。新幹線がつながると、経済的な恩恵はろくにないと思うが、球児はさらに集めやすくなって、青森みたいに野球はもっと強くなるかもしれない。

     地域性が薄いといいつつ、本当に矮小な地域性の話を最後に。優勝旗は白河の関を越えないという有名な言葉の、小さい版というか、無名版として、優勝旗は北陸トンネルを越えないというのがある。北陸勢初優勝。ただ、敦賀は大阪からは北陸トンネルの手前にある。

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