お国自慢
遠方の知人が、福井に出張だから一杯どうだと誘いがあり、親父のご機嫌伺いも兼ねて帰省した。よりにもよって、日本全国(静岡以外)荒天の日に。
敦賀までは大したことはないが、北陸トンネルを越えると一気に白くなる。まさに国境の長いトンネルを、を地で行く。
雪国を走る列車は、雪にはある程度強い。そういう仕様になっている。ただ風には弱い。暴風だからしまいに止まる。早めの行動で難を逃れた。
知人も雪国の出だから、雪に驚くということは特にない。むしろ、地方の町の新陳代謝が止まった感じにえらく共感していた。なんだかんだ、育った環境で通じ合う部分が人間同士あるんである。
長年付き合っていても、人間には意外な一面があるのを知る。恐竜博物館に行きたいと熱烈な調子で言われ、この人こんなん好きなんやと驚いた。
酷く寒いので、寒いと粉雪が降ってアイスバーンになって道路が滑る。歌詞の言葉としては綺麗だが、スキーヤー以外は迷惑この上ない種類の雪である。風雪は一旦小康状態だったが、よほど激しかったらしく、道路標識がどれもパイ投げみたいに真っ白になっていて読めない。グシャグシャに溶けた雪はスリップしないからいいのだが、他の車にぶっかけられると前が全く見えなくなるから一瞬パニックになる。
緊張しながらどうにかこうにか着いた。それでも客がいるから大したもんだと思ったが、この博物館、最近とみに人気が高まり、混んでいるときだと1時間待ちだとからしい。ある意味幸運だったようだ。入ると早速、子供が絶叫する声が響いている。ドーム型の吹き抜け構造なのでよく反響するのだが、事実、ティラノサウルスがなまはげ状態で出迎えてくれる。
ちなみに知人は全く知らなかったようだが、恐竜の研究も進んでいるので、分類が変わったりで三十年前には定番だった恐竜も今はいなくなっていたりする。
考えてもみれば、恐竜の化石は、バラバラになったプラモデルを、説明書もなく組み立てるようなものだ。パーツが全部あるかどうかも不明で、2、3の個体が混ざっている可能性もある。さらにいうと、最初に見つけた人々は、完成形を知らない。知らないどころか、巨大なトカゲって、ナンセンスにもほどがある。17世紀に恐竜の大腿骨を見たイギリス人は、巨人の睾丸だと思ったんだとか。さもありなんな形はしている。
例えれば、ガンダムを全く知らない人が、ズゴックとグラブロとビグザムのプラモデルの部品がまぜこぜになったのを見せられ、組み立てるようなものだ。素人目にはなんとなく大まかに似ているから部品を区別するのが難しいし、ビグサムに至っては、ホントにこれで合ってんの?という形をしている。
最近は恐竜界においても中国の存在が大きいようだ。発掘や研究がそれだけ進んでいなかったということか。北朝鮮の崩壊を一番望んでいるのは生物学者という話も聞いたことがある。まあ、人類より圧倒的に長い期間地球上に君臨していた存在なのだから、わかってないこともまだまだいっくらでもあるんでしょう。
さて、知人には我が家においでいただき、郷土の食い物を味わってもらった。まずは何といっても油揚げとがんもどきである。元々でかいのをコトコト炊くので仕上がりはバースデーケーキくらいになる。これが一般の厚揚げのボソボソした感じではなく、絹あげのようなツルツルでもなく、ふわっとなめらかで大変においしい。
もうひとつはこれで、要するにみそダレで味付けたしているだけのことであるんだが(鶏は醤油)、なぜだかやけにうまい。単にこの店がいい肉を仕入れているだけの話なのかもしれないが、とにかくこんな風にタレごと野菜とともに煮込む。その他、へしこなど。これらを一本義の熱燗でいただくんである。
食後は水ようかん。こんな雪の日だとこのパッケージともマッチしているというものだ。よくよく見ると、この絵、子供も雪だるまも犬も誰も笑っていない。犬以外はどちらも「無」の表情をしている。これが雪国の民の雪に対する正しい接し方だ。ついでに背後の山の急峻なこと。何一つ楽しくない景色だ。ちなみに気温の関係で、これくらデカい雪が北陸のスタンダードで、粉雪はあんまり降らない。俺自身は久々だった。
敦賀までは大したことはないが、北陸トンネルを越えると一気に白くなる。まさに国境の長いトンネルを、を地で行く。
雪国を走る列車は、雪にはある程度強い。そういう仕様になっている。ただ風には弱い。暴風だからしまいに止まる。早めの行動で難を逃れた。
知人も雪国の出だから、雪に驚くということは特にない。むしろ、地方の町の新陳代謝が止まった感じにえらく共感していた。なんだかんだ、育った環境で通じ合う部分が人間同士あるんである。
長年付き合っていても、人間には意外な一面があるのを知る。恐竜博物館に行きたいと熱烈な調子で言われ、この人こんなん好きなんやと驚いた。
酷く寒いので、寒いと粉雪が降ってアイスバーンになって道路が滑る。歌詞の言葉としては綺麗だが、スキーヤー以外は迷惑この上ない種類の雪である。風雪は一旦小康状態だったが、よほど激しかったらしく、道路標識がどれもパイ投げみたいに真っ白になっていて読めない。グシャグシャに溶けた雪はスリップしないからいいのだが、他の車にぶっかけられると前が全く見えなくなるから一瞬パニックになる。
緊張しながらどうにかこうにか着いた。それでも客がいるから大したもんだと思ったが、この博物館、最近とみに人気が高まり、混んでいるときだと1時間待ちだとからしい。ある意味幸運だったようだ。入ると早速、子供が絶叫する声が響いている。ドーム型の吹き抜け構造なのでよく反響するのだが、事実、ティラノサウルスがなまはげ状態で出迎えてくれる。
ちなみに知人は全く知らなかったようだが、恐竜の研究も進んでいるので、分類が変わったりで三十年前には定番だった恐竜も今はいなくなっていたりする。
考えてもみれば、恐竜の化石は、バラバラになったプラモデルを、説明書もなく組み立てるようなものだ。パーツが全部あるかどうかも不明で、2、3の個体が混ざっている可能性もある。さらにいうと、最初に見つけた人々は、完成形を知らない。知らないどころか、巨大なトカゲって、ナンセンスにもほどがある。17世紀に恐竜の大腿骨を見たイギリス人は、巨人の睾丸だと思ったんだとか。さもありなんな形はしている。
例えれば、ガンダムを全く知らない人が、ズゴックとグラブロとビグザムのプラモデルの部品がまぜこぜになったのを見せられ、組み立てるようなものだ。素人目にはなんとなく大まかに似ているから部品を区別するのが難しいし、ビグサムに至っては、ホントにこれで合ってんの?という形をしている。
最近は恐竜界においても中国の存在が大きいようだ。発掘や研究がそれだけ進んでいなかったということか。北朝鮮の崩壊を一番望んでいるのは生物学者という話も聞いたことがある。まあ、人類より圧倒的に長い期間地球上に君臨していた存在なのだから、わかってないこともまだまだいっくらでもあるんでしょう。
さて、知人には我が家においでいただき、郷土の食い物を味わってもらった。まずは何といっても油揚げとがんもどきである。元々でかいのをコトコト炊くので仕上がりはバースデーケーキくらいになる。これが一般の厚揚げのボソボソした感じではなく、絹あげのようなツルツルでもなく、ふわっとなめらかで大変においしい。
もうひとつはこれで、要するにみそダレで味付けたしているだけのことであるんだが(鶏は醤油)、なぜだかやけにうまい。単にこの店がいい肉を仕入れているだけの話なのかもしれないが、とにかくこんな風にタレごと野菜とともに煮込む。その他、へしこなど。これらを一本義の熱燗でいただくんである。
食後は水ようかん。こんな雪の日だとこのパッケージともマッチしているというものだ。よくよく見ると、この絵、子供も雪だるまも犬も誰も笑っていない。犬以外はどちらも「無」の表情をしている。これが雪国の民の雪に対する正しい接し方だ。ついでに背後の山の急峻なこと。何一つ楽しくない景色だ。ちなみに気温の関係で、これくらデカい雪が北陸のスタンダードで、粉雪はあんまり降らない。俺自身は久々だった。
テレビで紹介されたりで、この冬の四角い箱入り水ようかんも多少全国的に知られるところとなっているが、知人は全く知らなかったので、「え?!水ようかんなのに冬?」と模範的な声に出して読みたい日本語的反応でうれしかった。甘さ控えめ(ようかんの類にしては)で、口に入れると溶ける感じがとても美味だが、親父によると黒豆を炊いた汁に寒天入れたら同じようなものが出来たらしいので、全国どこでも食えると思う。
- 2016.01.25 Monday
- 日常
- 08:53
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- by 森下淳士
星山商店のホルモンは家でおいしく作る自信がなかったのですが、鍋物にすればいいのですね。焼肉屋のイメージでもうもうと煙とともに焼くことばかり考えていました。