くくるはたこ焼き以外危うい

0

     ゴンザレス要警戒どころか、Yuは総じてボコボコに打たれてしまった。そして違う意味でグリエルが要警戒、というか要警告になった。

     

     グリエルがダルから本塁打を放った後、アジア人を蔑む目じりを左右に引っ張るパフォーマンスをして問題になった。こちら側からすると、ピンとこない人もいるのではないかと想像する。ダルビッシュは父親がイラン出身なこともあり、顔つきは平均的な日本人よりずいぶん目鼻立ちがキリっとしている。一方グリエルはキューバ出身であるが、おめーの方が目が細いじゃねえかという顔つきで、何だかこんがらがってしまう。

     

     でもそういう個別性を無視したところで存在しているのがそもそも差別偏見の類である。というわかりやすいケースだと思う。ハゲている男性に「このハゲー!」と罵るのは侮辱行為であるが、ときにハゲていない男性に対しても「このハゲ!」とか「あのハゲ野郎」とか罵倒する場面を見かける。これと構造はちょっと似ている。ダルビッシュ個人の顔つきはここではあまり関係なく、「アジア系」という固定化した枠組みを当てはめる。だからこそやる側には「やっちまえー」というような扇動的行為として意味を持つし、社会的には差別行為に認定される。仮に本塁打のあと「どうだみたか」とダルビッシュのリアルな顔まねをしてみせたら(想像しにくいが)、その場合はただのモノマネで、せいぜい挑発行為にとどまるだろう。無論、スポーツマンとしては下品で褒められた行為ではない。

     

     そうしてまた本邦においては、ダルビッシュは日本人離れした顔をしていると思われているから二重にややこしい。その上出自をあげつらう差別も受けている。差別をする側される側双方ともが、グリエルにとっては一括りに「目細野郎」となっており、何と滑稽で馬鹿馬鹿しいことか。

     ダルビッシュが騒動に対して大人の対応を見せたのは、これまでに大小さまざまな嫌な目に遭ってうんざり飽きているからと推察される。その点、頭が下がるところではあるのだが、ダルビッシュを讃えるだけの話でまとまってしまうと、社会にとっては損得でいえば損になると思う。讃える前に、これは海の向こうの話でも己に無縁の話でもないと思うところから始めようや。やらかすという点でもやらかせられるという点でもさ。そうでないと、怒るべき場面に出くわしたときに、私もあんたも怒れなくなってしまうよ。


    コメント
    コメントする








       
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック

    calendar

    S M T W T F S
        123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930 
    << November 2018 >>

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    • お国自慢
      森下
    • お国自慢
      N.Matsuura
    • 「続く」の続き
      KJ
    • 【映画評】キューブ、キューブ2
      森下
    • 【映画評】キューブ、キューブ2
      名無し
    • W杯与太話4.精神力ということについて
      森下
    • W杯与太話4.精神力ということについて
    • 俺ら河内スタジオ入り
      森下
    • 俺ら河内スタジオ入り
      田中新垣悟
    • 本の宣伝

    recent trackback

    recommend

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM