それぞれの行列の処し方

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     国宝展。紅葉の時期に京都で開催とくれば、津々浦々から老老男女がおそろしいエネルギーで集うというもので、想像通りだが想像以上に混んでいた。母親も生きていれば目の色変えて現れていたかもしれない。列に並び、読書をしてやり過ごすのだが、ページに目を落としていると前が進んだのに気付かずひんしゅくを買うこと必至だ。読みつつも、視界の外で列の動きを察して前進するのだが、前の爺様が悟りを開いたかのように、ぼけーーっと博物館前庭の木々を見ているので、幾度もぶつかりそうになった。

     

     中に入ると行列ではなくなるのでカオスになる。とにかく見たいものだけをじっくり見る。元々そういう鑑賞を好んでいるが、こういうときは余計に有効だと思う。ごった返す中で、今のところちっとも興味を覚えない刀剣を見ても体力をすり減らすだけだ。それで見たいものの前でじっくり目を凝らすが、隣にいるやつがだんだんこっちに寄ってくるのが難儀だ。多くの人は展示物の前を等速でゆっくり通過する。そう命じられているわけでもないがそうなっている。仕方がないので適当にやり過ごすわけだが、周りに特に人がおらず一人で見ている人も等速で横移動するのはさすがにどうかね。

     

     じっくり見たのは、伝源頼朝像だった。頼朝かどうか疑義が呈されているので伝がつくのだが、もの凄く精緻な絵で感動した。これは頼朝のような超有名人じゃないと釣り合いが取れないと思わされる出来のよさだ。ま、その精緻さゆえに疑義が持たれているようだが。

     

     こうしてざっと眺めてみると、イキったことをいうが、結構既に見ているものが多いという印象だった。若いころ、それなりに勉強熱心だったようだ。どこで見たのか全く覚えていないし、「見た」自体も記憶の捏造かもしれないが。なにせ教科書に載っているものが多いから。でも教科書や図録で見たのと、どこかで実際見たのは、さすがに記憶の中では違う種類の手触りで保存されているのだが、ラーメンの一件以来、自信を失っている。


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