おせっかい

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     いつも世話になっている美容師が、給与の話でオーナーと対立して店を移ったのが今年の夏ごろ。年に2回くらいしか散髪しない無精者につき、期間は長くとも圧縮すると1,2年程度の付き合いになるような気がするが、見習いのころから見知っていて、いつのまにか美容師に昇格し、いつのまにか店を任され、いつのまにか給与でもめるまでに成長していたのだった(たまにしか来ないので、ホントに「いつの間にか」と感じてしまう)。で激励に訪れ、「もう来ーへんぞ」と言っていたのが、結局また来ている。

     

     「地震は大丈夫でしたか」と、久々なので古いところから話が始まるのが毎度のこと。まだブルーシートをたくさん見るよねえなどと話しながら、そのうち話題も変わり「万博決まって大坂もまた賑やかになるんすかねえ」などと牧歌的なことをいう。やはりこれが世間の平均的な受け止め方なのだろうか。

     

     どうだかねえなどとやり過ごしておけばいいのかもしれないけど、まあ待ちなさいアゼルバイジャンに決まってたら行ったかいなというか愛知のとき行ったかいなというかブルーシートがまだ多い状況で躍起になることかいななどと諭すように語ってしまった。これも「華氏119」なんかを見たせいだろう。小さなことからコツコツと、だ。なるべくやんわり与太噺を言うような調子で相手が引かないように心がけるのであるが、彼の場合は引くどころか周りにこういう話をする人間がいないせいだからだろうか、おーなるほどと食いついてきた。

     

     「ゴーンの件もようわからんのでYoutubeなんか見るんすけど、何かようわからんすね」と、彼は俺もよくわからないニュースのことを持ち出してくる。まずニュースを確認するのにYoutube、という発想からして、おいおい&なるほどなあなのであるが、最近はネット民の尽力で悪質なチャンネルが続々と凍結されたし、当人も陰謀論めいた話は話半分で受け取っている様子につき、まあよかろう。とりあえず、地検特捜部のやる事件は本気にするなと説明した。なんだったらあやしげなネット情報より陰謀論なんじゃねえかという気すらする。

     

     「ま、僕らみたいなのにはまったく無縁の別世界の話っすけどねえ」と彼は適当にまとめようとしたが、大人げなく「そうでもないよ」と延長戦に持ち込む。ここからはただの私見。従業員リストラしまくって自分は10億だなんだともらって「これが世界の相場だ」と平然としていたのは、社会に少なからず「あ、いいんだ」感を与えたと思う。これをちっちゃーいレベルまで落とし込んだのが、君とオーナーの給与騒動なんじゃない?と言った。自分がそんだけもらうんなら、社員の給与ももっと奮発しろよってことでは一応構図はカブる。まあ彼にはこじつけのブラックジョークくらいに聞こえたかもしれないが。

     

     こういう説明したがり野郎を英語で「mansplain」というらしい。女性にも説明したがりはいるだろうけど、男の場合は相手が女性というだけで自分の方が詳しいと自動的に思い込んで語りたがる傾向が強いので、それを指摘している言葉だ。女性、あるいは年下、というだけで講釈を偉そうに垂れるととても恥ずかしいことになるので(経験済み)、やめた方が互いに過ごしやすい世の中になるだろう。油断するとやってまうんすけどね。

     今回の場合は、相手の出方を注意深く見ていたので該当しないつもりだけど何事もほどほどにと自戒しつつ、お茶を濁しとくのが大人、とは必ずしもいえない世相になっているのは確かじゃないかしら。


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