年の瀬2

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     知人から夜に電話があり、そのまま夜中の3時くらいまで長電話だった。年齢上立場上、鬱屈しているものが鯨肉くらい在庫が貯まっているからだろう。そういう俺も個人事業主につき気の置けない間柄と暖簾をくぐって・・・、なんてことがまったくないので遠隔忘年会だなと内心思いながら、電話に応答しつつウイスキーを舐めていた。

     欠員が出たのに補充がない、と今時どこの企業でもありそうな愚痴をこぼすので、広河隆一でも採ったらどうかと助言した。少なくとも写真は巧いんじゃないか?(そうでもなかったりして)。すると翌日「茨城県庁がセクハラ処分の官僚を採用」というニュースが流れていて、おいおいホントにやってるやつがいるのかよ。

     

     さて話の流れで、本やサイトの選び方という議題になった。インターネットサイトが玉ゴミ混交なのはその本質上必然のことなのだが、書籍の世界でも同様の事情となっており、見分ける姿勢、いわゆるリテラシー的なものが重要になっている。大学1回生だと、検索結果のトップに出てきたものを何の疑いもなく引用してレポートを書いたりするものなので、引用可能なサイト、そうでないサイトの説明から始めなければならない。

     こういう事態に年寄りが呆れるのは勝手だが、物心ついたときからネット上にサイトが溢れている環境でまっさらなまま育っているのだから、きちんと教えるのがおっさんの責務である。そうでないとまとめサイトから引用してるくせに大口叩いている破廉恥な大人と、それを回収しない破廉恥な出版社を横行させるだけである。


     個人のブログ、まとめサイト、フリー素材の写真だらけで「いかがでしょうか」で終わる記事を引用するなとか、そんなことを教える。最近、ネット素材のテキトーな張り合わせで出来ている記事の末尾に「いかがでしょうか」がないケースも出てきているのだが、あれはよくない。この記事はせいぜい暇つぶし用ですよと明示する意味で、最後に「いかがでしょうか」と必ず書いてほしいものだ。

     

     書籍についてはもう少し難しい。青林堂の本だと表紙がいかにもあやしげだから、あれはあれで良心的といえるかもしれない。名のある出版社が酷い本を出しているのは、話題の幻冬舎しかり講談社しかり。まあ本がすべて良心的ではないというのは昔からあることで今に始まったわけではないが、まず数の問題がある。書店の「歴史」「政治」「海外事情」といったコーナーは、昨今、アレ界隈の書籍で汚染が激しい。いよいよ資格試験の分野にも浸食してきたという話は以前に書いた

     

     脱線するが、ちょっと前に稲田朋美の「日本は聖徳太子のころから民主主義」という衆院での演説が話題になったが、かの試験の問題文に使われていたのも同じような趣旨の文章だった。この界隈は、狭いサークル内で互いに受け売りし合っているもので(だから労せずどんどん出せるという強みがある)、その一端が衆院という結構な表舞台に顔覗かせた格好であり、別に彼女の持論というわけではない。なので発言の是非を云々するよりも、このサークル内受け売りもたれあい構造を解明していく方が重要なのだが、幻冬舎の件でそれが続々と詳らかになっているのは素晴らしいことだ。

     

     話を戻すと、向学心旺盛かつまっさらな若人(年寄りもそうだが)に見分けるリテラシーを身につけろというのも無責任な話だ。書店の側も売るならせめてコーナーは分けてほしいものだ。どうせ購買層は共通なのだから、ジャンルに分けられているよりも買いやすい。分類名が「アレ」くらいしか思いつかないのだが、何か適当な名称はあるだろうか。「お目覚め」だろうか。そしてその書棚は、ツタヤのエロビデオコーナーのようにカーテンの奥に設置するといい。隣国を罵倒したくてしょうがないという隠微な欲求を持つ人にとっては、より興奮する演出ともなるだろう。知人曰くは「そのうちマトモな本の方がカーテンの奥においやられそうだが」とのことだが。

     

     ただし新書の場合は、新書という規格に含まれる分、単行本のように単独には扱いにくい。というか、書店の対応に頼るばかりでなく、こちらも爛螢謄薀掘辞瓩鮗けなければならない。結局は出典の明示という論文レポートの作法にたどり着く。ただしこれも万能ではない。ライトな読者層を想定している場合には省くこともあるからで、これはこれで一部で議論になっている。

     

     学生に対しては「本を読んでいない」という前提で説明するので、まずは新書・選書あたりから入ってはどうかという助言になる。その際に一定程度信頼のおける新書と、玉石混交度合の高い新書、ほとんど泡沫、と出版社ごとの概要を示したことはあるが、平均値の話でしかないのも確か。あとは「帯に腕組みした著者の写真があるやつはとりあえずやめとけ」と言ったら、後ろで見ていた教授だけ爆笑していた。これだとアレ界隈ではない人も一部含まれるが、まあいい。

     

     結局は「薦める」に行き着くのかもね。自分だって「これを読め」と周囲の薦めの積み重ねがあったものだ。年末なので張り切って図書館で色々借りたが、電車移動が多いときほど読み進むといういつもの矛盾にぶつかっている。

     とりあえず↓これ

    から取り掛かっているのだが、上下巻分のボリュームだ。どうやら新しい才能が続出してるっぽい雰囲気の韓国の小説も借りてきたけど、たどり着けるのやら。


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