決着トントン対決2019;トランプとターナーに見るワールド情勢

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     無事(?)第7戦までもつれ込んだヒューストンとワシントンのトントン対決ワールドシリーズは、双方とも本拠地で敗北し敵地で勝利する展開で、いわゆるホームフィールドアドバンテージ(レギュラーシーズンの勝率が高い方がホームゲームの開催が1つ多い)のあったヒューストン・アストロズがホームディスアドバンテージになってしまって敗北。ワシントン・ナショナルズが見事初優勝を成し遂げた。

     互いがホームぜ全敗するのは史上初とのことで、完全なる外弁慶シリーズであったが、しかし外弁慶って、要するに「弁慶」ってことよね。弁慶も帰宅すれば泣き言の1つくらい言うだろう。だとするとホームで弱い=内平維盛ってことだろうか。ナショナルズのソトはアストロズ自慢の先発陣を軒並み攻略したので弁慶ばりの活躍を見せた。

     

     実のところ、ホームゲームだからといってそれほど勝ちやすいというわけではない。2009-2018の10年間でいうと、32勝27敗。ホームがやはり上回るとはいえ、6割もいかないし、ホーム全勝のカードもない。そしてホームゲームで負けるのは、ミック・ジャガーかバスケの選手が見に来たときと相場が決まっている。今年のドレクスラー&オラジュワン(ヒューストン)、2016年のレブロン(クリーブランド)。そして共同オーナーの1人として毎度マジック・ジョンソンが観戦に来て敗北するドジャース。ワシントン暮らしを始めた八村塁も、さっそくワールドシリーズを見に行ったら負けてしまい、驚異の新人もこの例に漏れず。

     

     ついでに同じくワシントンの住人ドナルド・トランプも第5戦に観戦に来ていた。常日頃の言動に趣味を感じさせるものがちっともない御仁だけに、あからさまに選挙対策の香りしか漂わない。まあ相撲よりは楽しめたのかもしれないが、観客からはブーイングとともに「投獄しろ!」の大合唱で、珍しい方向に盛り上がっていた。首相の応援団が国技館でトランプと嬉々として握手する様子を「一般の方と握手」などと伝えたわが国と異なり、宗主国の国民は自由だな。

     

     MLBは中南米の選手の活躍が目立つので、そもそもトランプとは相性が悪い。ナショナルズだとソト、ゴームズ、ロブレス、サンチェス、パーラなど。アストロズはもっと目立って、アルトゥーベを筆頭に、コレア、グリエル、チリーノス、アルバレス、オスーナなど。試合も負けたしナショナルズには疫病神でしかなかったな。

     

     第1戦では、地区シリーズでナショナルズに敗れ引退を表明したブレーブスのマッキャンが、早速アストロズのユニホームを着て始球式に登場。元アストロズとはいえあまりの変わり身の早さ。まるでジャニーズをやめた翌日に新譜の発売とツアー日程を発表した錦戸亮みたい。その始球式を見た上原浩治の「不思議な感じがします」のコメントが秀逸だった。

     

     さて、昨年と違い、7戦目までもつれたのはありがたいのだが、接戦になったのは第1戦のみで、あとは負けた方が1、2点しか取れず、勝った方は6、7点という試合が目立った。2戦目なんかナショナルズが12点も取っているのだが、負けた試合は1点くらいしか取れていないので、結局合計点はほぼトントン。アストロズが1点だけ上回ったのにナショナルズが勝ったのはまるで大統領選挙であり、その点やはりワシントンのチームといえよう。こういうわけなので「手に汗握る」とまではいかず。贅沢な話だが、観客としてはやはり、リーグ優勝決定戦のアストロズ×ヤンキース第7戦のような試合を見たいものです。

     

     まあナショナルズは、ここ何年も地区シリーズ敗退が続いていたから、ようやくの頂点に輝き、ドジャースに代わって「物事には順番がある」の義務を果たしてくれたといえよう。ただしここで誰しもが思い浮かべるのが今季から他チームに移ってしまったカルロス1世・ブライス・ハーパーだろう。間が悪い。フィリーズへの移籍会見で「ワシントンを優勝させる!」と思い切り間違えたのが、「予言になった!」と話題になっているとかで、寂しい貢献の仕方である。しかし落ち込むことはない。もっと間の悪い選手がいる。ミスター「俺が去ったチームは優勝する」青木宣親だ。彼に比べればどうってことない。


     MVPは、1、2戦でワンバウンドのくそボールを1つも後逸しなかった「カート・スズキだ」と上原は断言し、当人も「体中痛いが頑張るよ!」と意気込んでいたが、やはり相当痛かったのか、3戦以降は股関節のケガでマスクをゴームズに譲った。残念ではあるが、ハーパー、青木と異なり、移籍したら栄冠が待っていたのだからまだラッキーだな。

     

     スズキは股関節のケガとのことだが、ターナーは、股間の急所に自打球を当てて、結構な時間硬直するシーンがあった。グラウンド上でもスタンドでも、彼を見つめる男性の顔つきが一様にやさしーくなっているのが印象的だった。ただのデッドボールだと、痛そうというのは想像つくが、実際当たったことのある人間は極々限られているのでああはならない。「相手の痛みがわかる」というのはなるほどこの顔なんだなと思った。世界平和にどうやったら役立てることができるのだろう。

     

     最終戦は、アストロズの継投失敗が響いた。好投しつつも降板したグレインキーは何より全米一の目つきが鋭すぎる投手なので、打たれたハリスの心中を察してしまう。ブルペンに右投手しかいない(&左打者も少ない)極端に右寄りの極右チームの弱点が出てしまった。とりあえず菊池雄星をマリナーズから強奪してきたらどうか。

     

     それにしても、4タテくらった原監督が敗因をDH制の有無にしていたらしいが、あんま関係ないということが証明されたのは何より。何度もいうように、今季最弱チームとホークスが交代したらよろしい。来季は、デトロイト・ホークスと、福岡ソフトバンク・タイガースになります。神虎と福虎で区別。どっちもめでたい文字面でええやないすか。


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