江頭仕事

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     毎年春に某私大で担当している授業について、私は先日の会談で、教室の対面講義という「完全な形」で実施することを主張し関係各位の支持を取り付けることができた。このため、動画撮影によるオンライン授業を提案し、100%の同意を得たため本日、撮影と相成った。「このため」の前後が真逆でおかしな文面になっていると思った人は我らが首相への信仰心が足りない。


     各大学の対応は分かれていて、開講を延期したところもあれば、この大学のように遠隔での方法を選択したところもある。オンラインにも大別して録画と同時中継の2つがあるのだが、どっちにしたって通信インフラの問題がまずある。テレワークでも、自宅にPCがない会社員が結構いるという話を聞いたが、学生にしても同じ。スマホには慣れていてもキーボードを使わせると爺さんみたいな一本指打法になる若人はそう珍しくない。

     当然動画となれば、CMでやっている通り「ギガが〜」という事態になるからWi-Fi求めて結局人の集まるところに行く羽目になる。ついでに同時中継は通信が込み合ってうまくいかない旨も聞こえてくるから、社会全体のインフラの話だったりもするんだろう。いや、YouTubeが込み合うから画像を落とすというニュースも出ていたから、インフラというよりは結局は「そういう事態」ということか。


     その辺の話とは別に、授業を撮影すること自体、イメージよりは厄介だ。最も厄介なのは厄介だとあんまりわかっていない人が多いところだろうな。カメラと撮影対象さえあれば出来上がるわけではない。今回の場合は、会社がカメラにしろマイクにしろ編集ソフトにしろ諸々機材を持っていたので第一段階はクリアだろうけど、ちゃんと撮れる人がいなかったので、三脚に固定したままだった。

     殺風景な会社の会議室で固定カメラに向かって熱弁振るってたから、アメトーークに出てくる江頭2:50状態である。まあ撮影は難しいものであるから仕方なし。自主映画のとき、たまたまカメラの扱い慣れてる人に手伝ってもらえたときが一度あって、あのときは普段と違ってめちゃくちゃ楽だった覚えがある。


     そして演者、とつい書いてしまうが講義をする人間。俺自身は劇団主宰の講師芸人につき特段困惑はないのだけど、慣れてない先生方も多いだろう。はいどーもー!今日はマクロ経済学やってみた!とかおどけないといけないのかなどと冗談半分こぼしているどこかの大学の先生のツイートを見かけたが、誰も受講者がいない中で視聴者を意識して喋る際に必要なメンタリティは、本質的には「はいどーもー!」と言っているのと変わりない。


     俺はというと、カメラを前にして普段の授業より演技濃い目だった自分がいたのは間違いない。映画じゃないのでNGの許容範囲は緩めではあるが、間違えてはいけない事務的な部分で説明を間違えたので、テイク3までいった(要するに同じ箇所で2度間違えた)。ま、誰が読んでいるのかもあやしいこのブログを10年以上も書き続けているのだって、やってることは「無人の会議室で講義」と似たようなもんである。どうでもいいが、教室でこれをやる場合は「無観客試合」と呼ぶ人が多い。


     そして編集。大学側と折衝している会社の担当氏に、編集段階でこういう画像挿入できます?などと尋ねると半笑いだったので、手間賃くれたら編集やりますよ、と申し出た。そうなればいよいよユーチューバーである。担当氏からは「限定公開なんで広告費入らんすよ」と言われたが。


     なんせ学生にしてみれば他の授業も合わせて1日4コマ計6時間動画を見ないといけないから、せめて少しは見る気の起こるものにはしたいところである。それでレポートの出来は例年と比べてどうなるのだろうという実験の側面を持っているわけだが、予想では大して変わらんのじゃないかと思っている。悪かったらまだしもよかったら教室の講義の存在意義が揺らぐな。

     ちなみに中継にこだわる大学があるのは、出席管理の問題で、これは近年文科の指導もあり単位認定における出席の割合が厳しくなっているせい。録画視聴だと必然、遅刻扱いがなくなり緩くなる。これは数少ないイイことかもしれない。

     

     とりあえずは連休まで録画ということになっているが、先が見えないのでその先どうなるか不明。最近JRの遅延表示がヒドくて、本来は「5分遅れ」のような表示は見通しを表示するもののはずだが、5分たっても来ないなあと思っていたら「6分遅れ」に変わってて、それでも来ないなあと思ったら「7分遅れ」になって、と、事後報告なら意味ねーじゃん時計見たらわかるぜ、という間抜けな状況をよく目にする。最近あれをよく思い出す。


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