蟄居・遠隔(1):エッセンシャルワーカー

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    こういう壁でもあればね(尾道駅)

     

     出勤しなくて済んでいるので、蟄居している。ありがたいことだ。どうしても外に出ないといけない職種の人をエッセンシャルワーカーと英語では言うらしい。身近なところではスーパーやコンビニの店員やごみ収集の人がこれに該当するだろう。謝意を示したいが、無駄口を叩くと飛沫が飛ぶので、レジで「ポイントカードはお持ちですか」の類の質問にも首を振るだけで答えている。まるで愛想がないからなるべく笑顔にしている。まあこちらが社会に対してできることといえばなるべく外出しないということだろうな。


     仕事は飛んだものもあれば、残ったものもある。いわゆるオンライン講義である。巷で話題のZoomとやらを俺も使うことになるらしい。ノートPCのカメラが初めて役立つときが来たようだ。もともとは「締切に間に合わん!」と、電車移動中でも原稿を書くために買った代物だった。電器屋で店員があれこれ高機能をアピールするのを遮って、とにかく小ぶりで軽くてワードさえ使えればいいから、と棚の端にあった余りもののような機種を選んだのだが、それが今度は「出かけないための装置」になろうとは。

     

     しかし、カメラはともかくマイクは使いものになるのだろうか。営業の担当氏は「大丈夫っすよ〜」と、こちらの機種も知らずに太鼓判を押すテキトーぶり。とりあえず近所の電器屋にヘッドセットを見に行くと、案の定売り切れ。厳密にはゲーム用の高級品だけ売っていて、「仕方ないのでやたらと派手なそれを買った」とのツイートを見かけたから、どこでもある風景なのだろう。

     

     周囲の使ったことがありそうな知人に聞くと、なくても問題ないとの由。後日、「大丈夫すよ〜」のイージー営業氏とともにテストをすると相手の声が聞き取りづらく、ヘッドホンだけする必要があったが、確かにマイクは何の問題もなかった。ただまだ多人数とつないでいないのでよくわからない。

     

     さて自宅環境の諸事情でずーっとほったらかしにしていた自宅のWi-Fi設置をする必要が出てきた。再び電器屋に行くと、一番人気は売り切れていたが、ほかはまだ在庫があって、こちらは間に合った。

     

     一方、既に何度か発注元の会社に赴いて撮影した動画配信型式の仕事は、その会社もテレワーク推奨になってきたこともあり、自宅撮影に切り替えた。自前のミラーレス一眼レフによる動画撮影である。以前、郷土料理を作る伯母を撮影した際に編集ソフトも購入していた。当時ほとんど悪乗りに近い買い物だったから当然あれから全く立ち上げていない。こんな出番があるとは。

     

     自宅を片付けて撮影できるスペースと角度を整えたが、どうにも殺風景。やはり背景に全集が詰まったデカい書棚が欲しいが、デカい書棚もなければ全集もない。「壁紙 本棚」で検索して出てきた画像をプリントアウトして壁に貼り付けようと考えたが、こんなことに労力を使うわけにはいかない。大学教員の友人はじめ、その他ネット上で見るだけのどこかの大学の先生にも「無理はしない」と言っている人が多い。後日、一様にテレ出演となっている情報番組のコメンテーターたちを見ると、多くが白壁かクローゼット扉前での撮影だった。誰もが似たようなものか。

     

     とにかく壁際にちゃぶ台を置いて、押入からLibecの三脚を引っ張り出した。自主映画撮影以来のご登場である。カシャンカシャンと安定感抜群のゴッツイ三脚を立て、お次はレフランプを2発、プラグを突っ込んでオン!そして間もなくプツンとこと切れた。発火しないだけマシとしよう。何せ前科アリ。また電器屋に行き、ランプの玉を購入。こちらは売り切れなし。

     

     腰掛けられそうなジュラのケースに入ったVX2000は名前の通りゼロ年代の代物につき出番なし。ずっと小ぶりだがずっと高機能なミラーレス一眼を三脚に装着し、あれ?これ遠隔操作できる付属のリモコンなかったっけ?と思ったら、スマホで操作できるのだった。遠隔のありようはこんなレベルでも変化している。とっくにそんな時代。これも初めて使う機能で、カメラのWi-Fiボタンの在処を初めて知った。標準搭載のマイクの収音力が優れているので、悲しいかな自慢のガンマイクの出番はなし。
    さあ準備万端、撮影スタート、さっそく言葉に詰まってNG、テイク2。

     

     こうして撮り終え、ふと気づいた。空の外付けHDDを用意しないととてもじゃないが容量を食いすぎる。また電器屋へ。何度もお世話になります、みなさんもエッセンシャルワーカーですね大変助かります。


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