あっさり終わった十月とダルビッシュの戦場

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     今季のMLBが早くも終了してしまった。半ば予想していたことだったが、レッドソックスが強すぎてドジャースは完敗。予想なり予感なりがちっとも覆されないのはつまらないものだ。どっちに転ぶか全くわからなかったワールドシリーズが何年か続いていただけに、あれは幸せなことだったのだと振り返ることしきり。102年前と同じく4−1の結果で、第3戦のみレッドソックスが敗北したのも同じだそうで。ちなみにワールドシリーズは、北米だけで開催していて何が「ワールド」なんだというお決まりの批判があるが、MLBの選手は現在20何か国から来ているそうなので、十分にワールドになっている。

     

     1戦目でカーショウが打たれるのは想定内として(直前のリーグ優勝決定戦第7戦で、最後に抑えで投げさせるという星野仙一罪容疑のせいだと思う)、2戦目は柳賢振(リュ・ヒョンジン)が思いのほか好投した。だが、途中ピンチを迎えた際、何度もタイムを取り、マウンドにも集まり、慎重に慎重を期して投げた結果が暴投(パスボール?)。世の会議のほとんどが無駄、というのは野球界にも当てはまるんだな。後をつないだマシソンが1個もストライクが入らず、これでゲームが壊れた。

     

     第3戦は意外にも投手戦。1−0のリードを守るため前倒しで投入した抑えのジャンセンが打たれて延長に。最長記録の18回まで行ったから丸々2試合やった格好。カーショウも代打で出るほどの総力戦となり、どうにかドジャースが勝利。

     

     同じころ日本では、広島×ソフトバンクが延長12回で引き分けとなっていた。かたや延長18回だから、ヌルいことやってるなあとつい思うわけだが、そろばん勘定からいくと、1試合で2試合分よりかは引き分けの方が儲かるから、こっちの方が賢いのかもね(ま、結局8戦目をやる必要なくこちらもアッサリ片付いたが)。

     

     そして同じころダルビッシュは、安田純平氏の件で自己責任教のテンプレツイッタラーと戦っているというよくわからない戦場にいたのだった。今季はひとつもいいところのなかった七色の変化球男であるが、テンプレ非難にはフォーシームストレートをひたすら投げ続けていた。それが来季復活の鍵なんじゃねえか?

     

     このダルビッシュの奮闘ぶりを青木理氏あたりもテレビで讃えていたが、かつてイラクで若人3人が人質になったときに比べると報道の論調はかなり慎重にはなっている。ただあのときは、新聞社の編集委員クラスの人間もテレビで自己責任論的な批判をしていたと記憶しているから、その辺の反省からしっかり振り返るべきなんではないかね。一方、情報番組レベルになると、両論併記的な伝え方になっていて、安田氏の記者会見でも謝罪的な話を詰め寄っていたのもいたようだが、ああいうのは「威張る元請け/堪える下請け」の構図とまんまカブるので見ていられない。
     ま1個だけ補足しておくと、日本が敗戦のとき、満洲なんかに残された残留日本人は、好きでいったのだから自業自得でしょ的な非難に苦しんできた。今でいう自己責任とピッタリ重なる。なので、この手の非難に淫する人にとっては切り捨てて安心できればいいだけなので、これは別に危険地帯の報道という特殊な立場に身を置く特殊な価値観の人の話ではなくて、仮に安田氏がどんだけツマラン人だったとしても、彼を責めるのは結局は自縛の紐でしょうよ。国民と国家の話なので。残留日本人と重なるのもそのせいなわけでしょ。

     

     閑話休題。延長18回をサヨナラで勝って意気上がるドジャースだが、4戦目で勝てる試合を落とした。これがデカかった。4−0から3ランで1点差に詰め寄られ、ジャンセン前倒し投入がまたもや裏目に出て同点弾を浴びて振り出しに戻る再放送状態。継投が悪い。前田を出せ前田を、と思ったら前田が前日とは別人のようにポコスカ打たれた。あれがなければ裏でヘルナンデスの本塁打で逆転サヨナラだったが、まあ監督の判断が敗因だね。

     

     第5戦は、その幻の?サヨナラ弾を放ったヘルナンデスを3番に置いたら好機でことごとくブレーキとなっていた。監督業はつらいよ。優勝の遠ざかる年月が着実に呪いの域に近付きつつあるが、負け方としてはまったく呪いは関係なさそう。
     過去にはバスケのレブロン・ジェームズが応援にきたインディアンズが負けて、今季はノーラン・ライアンとビジオ&バグウェルの大物OBが見に来ていたアストロズが敗れていたので、来季のドジャースはコービー・ブライアントとマジック・ジョンソン、ラソーダ元監督を全員出入り禁止にしたらどうかしら。マジック・ジョンソンはオーナーだけど。

     

     優勝したレッドソックスの監督がインタビューで「Congratulations!」と言っていたので、監督が「おめでとうございまーす」というのはもうこれ当たり前のことなんすね。知りませなんだ。


    リーグ優勝決定戦備忘録

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       ア・リーグの太空人隊×紅襪隊のAB対決は、ブラッドリーJrとベニンテンディのB2名の活躍で4−1で紅襪隊が勝利した。ブラッドリーは守備の人で打線は9番あたりなのが満塁弾を放ち、逆に上位を打つベニンテンディはシーソーゲームの第4戦で、太空人隊のMVP候補ブレグマンのあわやサヨナラ打を好捕で防いだ。どっからでもヒットが出るし、総じて守備が巧いから、そりゃまあ強いよね。

       にしても4−1は意外。スプリンガー、ひざ痛のアルトゥーベ、グリエル等々、結構打っていたはずだけど、セールが自滅した初戦以外落とした。接戦をものにできなかった格好。シーソーゲームを落としたのと、太空人隊の抑えが満塁弾を食らったのと、あと第5戦の先発がプライスだったので、当然太空人隊のABC打線が爆発して6戦目行きかと思いきや、ピシャリと抑えたのが大きかった。

       紅襪隊はエースのクリス・セールが胃炎で入院という意外な災厄に見舞われたが、5戦で終わったので助かった格好。クリス・セールは、クスリのセールベールを飲んで静養に努めてもらいたい。

       

       一方の釀酒人隊×道奇隊は7戦までもつれた。初戦でエースのカーショウが投手に本塁打を打たれたせい。何やってんだ。しかし、これでどうやってレギュラーシーズンで活躍したのだろうというくらい空気を切り続けていたベリンジャーの活躍で2−2のタイに戻したのが大きかった。素人目には酷いスイングにしか見えないのだけど。

       

       2度目のカーショウは見事だったが、2度目の柳賢振が打たれまくった。どうも安定しない。7戦目はたまにしか活躍しないプイーグが爆発して道奇隊が再度のワールドシリーズ進出を決めた。前田はシャンパンを浴びながら「ワールドシリーズに進出させてもらって」と、俺の嫌いなさせてもらう語を使っていたが、確かにこのシリーズの前田のぱっとしない出来からいうと、させてもらった感も漂う。ワールドシリーズでは活躍してもらいたい。

       

       あと隻眼の左投、MLBの土佐丸・犬神ことウリアスにも注目。今のところ前田同様、なんか危うい。手術で多少視力は戻ったそうなので、犬神というより白新・不知火かもしれない。にしてもドカベンは片目の投手が多くないか。
       釀酒人隊は、左投げのシンダーガードことヘイダーに尽きる。投手というより、打てない球を投げる人。だが、監督にヘイダーと心中する覚悟が足らなかったような。アーシア、ブラウン、ケインと太空人隊と同じ打線にABCが揃っていた側が負けた格好。イエリッチが完全に抑え込まれたのが痛かった。いつの間にか加入していたグランダーソンのポストシーズンもここで終了。

       

       台湾に行ったとき、スポーツニュースで「太空人隊」がどうのこうのという字幕が出ていたのを見て、多少時間がかかって「おおアストロズのことか」と印象深かったので、今回はこのような表記に。

       

       というわけで、ワールドシリーズはレッドソックス×ドジャースの、BB102年ぶり対決。結局3年ごしで王道の赤青シリーズになった。ボストンとロサンゼルスなので、アメリカ横断対角線シリーズでもある。寒暖差もひどい。おそらく本拠地が最も遠いのはマリナーズ×マーリンズの組合せだと思うが、どっちがどっちかわかりにくい方が目立つ。今のところちっともありえなさそうな組合せだが、もし実現の折はイチローは両チームとも出場(ずっと打ってるorずっと守ってる)という特別ルールで。

       

       2014-2015のロイヤルズ同様、前年に敗れたチームが雪辱を果たす展開でドジャースに期待したいところだが、これまでの戦いぶりを見ているとレッドソックスにまったく勝てそうにない。だが昨年のリーグ優勝決定戦は、ドジャースが4−1で勝ち上がり、アストロズが7戦までもつれたから、ちょうど今年は逆。勝機あり。


      映画の感想:三度目の殺人

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         テレビでやっていたのを録画しながら見始めたら、結局最後まで見てしまった。


         法廷モノの類になろうが、監督名からしていわゆる法廷ミステリではないことは概ね想像がつく。もつれた糸が綺麗にほどけて「な、なるほど!」だの「お前が犯人だったか!」だの膝を打つような展開は最初から期待していない。そしてやはりそういう具合の内容だった。予想がつくことではあったが、もやもやとした。といっても狄秦雖瓩わからないからもやもやとしたというわけではない。

         

         殺人事件を扱っているのに、真相が今一つハッキリしない。こういう作品には結構ヒステリックな拒否反応があるもので、本作についてネットのレビューを見たら、高評価とゼロ査定に割とはっきりと分かれていた。正解を示さずに終わることは、〆酲,鉾燭靴討い襦↓謎解きが思いつかなかったくせに「別にそこで勝負してへんし」と居直りながら格好つけている、といった反発を覚えるのだろう。その気持ちはわからんでもない。俺も過去に解決のはっきりしない殺人モノを見てフラストレーションがたまったことはある。この´△鵬辰┐董△錣らなかった俺がアホなのか?と不安に苛まれ「あれ?わっかんなかったかなー」と残念がって見せる制作側(←大抵幻聴だが、一度だけ直に耳にしたことがある)が一番わかってないんじゃないかと不安が怒りに変化しもする。どうも殺人を扱う作品は、自ずと定まっている枠組みのようなものがあって、そこから逸脱すると激しく拒絶されるようだ。

         

         だけど、実際の裁判では作法違反のミステリみたいなことはある。ちょっとだけ刑事裁判を傍聴した経験があるが、それでも狄深足瓩良坡里さに直面したことがあるから、世の中全体で見るとどれほど多いことになるのか。

         

         例えば、殺人の被告人2人が別々に審理されていて、互いに全く矛盾する判決が出ていたケースだ。詳しく覚えていないのだが、確か「どちらが主犯か」について、双方の判決で認定された役回りが、パラレルワールドのように異なっていたと記憶している。それぞれの法廷で出された証拠・証言が異なるからということらしいのだが、単に裁判官がこんがらがって勘違いしただけなんでは?と穿ちたくもなる2つの判決だった。

         

         もう一つは、控訴審で違うことを主張し出したケースだ。本作同様、強盗殺人の強盗部分を否認したんだっけか。これもまた記憶が不確かなのだが、とにかく被告人の主張としては自身の性的志向に関わる話なので一審では恥ずかしくて伏せていたが、二審では真実を告白しますと、そんな事情だった。一審の判決によるとこの被告人は、犯行時に若干不可解な行動をとっているのだけど、新たに持ち出してきた性的な部分をあてはめると、推理小説みたいにキレーに各々のピースが結びついて、一審判決とは別のストーリーが見事に成立する。結局、判決では「証拠がないので信用できない」と一蹴されてしまったのだが。

         

         どちらのケースも、背筋が幾分か寒々としたのを覚えている。恐怖を覚えること自体が意外だったのだが、事実がよくわからないものに出くわすのは、結果が殺人という重大事ということもあって、結構怖いものなんだなと理解したものだった。黒澤明「羅生門」(芥川龍之介「藪の中」)と同種の恐怖だろうか。映画、小説と異なり、作り話ではないせいだろうか、余計にゾゾーっとしたものだ。

         

         


        ABC打線とBBBB打線とKKコンビ

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          フェンウェイパーク県立野球場。グリーンモンスターこと芝生土手の外野席もあるよ。

           

           割と一方的展開で地区シリーズが終わった。
           ナ・リーグのブリュワーズ対ロッキーズのBC対決は3タテでBの勝ち。ロッキーズは下山すると貧打になるのかと思ったが、コロラドに戻っても変わらなかった。呉昇桓のポストシーズンも幕を閉じた。しかしブリュワーズはなぜシャンパンファイトなのだろう。ビールの町なのだからビールかけじゃないのか。


           ブレーブスとドジャースのAB対決は、ブレーブスが1勝したものの昔Bことドジャースが横綱相撲で勝利。ヤンキースが獲るんじゃないかと前に書いて実際にはドジャース入りしたマチャードが、ようやく活躍し出した。同じくようやく出番が来た前田は若干危なかったが0に抑えた。

           

           ア・リーグは、アストロズがインディアンスを3タテで下して難なく勝利。アルトゥーベ、ブレグマン、コレアと、ABCが揃った強力打線は好調の様子。インディアンスは昨年同様、クルーバー、ミラーが打たれたのでどうしようもない。ミラーは乱調もいいとこで全く見る影なかった。ウォームアップで外野手のように助走投げをするドローン男バウアーが一人頑張っていたが最後に力尽きた。

           

           レッドソックス対ヤンキースは、1勝1敗のタイになったところでやはりこのカードはもつれると思ったが、第3戦はコールド勝ちしそうな得点差でレッドソックスが圧勝。ヤンキースは最後にキャッチャーに投げさせる体たらくだった。レギュラーシーズンで野手が登板するのは珍しくないが、ポストシーズンでこれは初めてじゃないかと思ったら2度目とのこと。で、この野手投手を相手にホルトが本塁打を打ってサイクル安打を達成していた。こちらはいくらでもありそうなところポストシーズンでは初めての記録だとか。なんとなくゲタを履かせてもらっての達成のようにも見えるが、まあそれくらいじゃないとポストシーズンでサイクルを打つのは難しいということか。

           

           第4戦は、9回にキンブレルが四死球連発でヤンキースに1点差まで詰め寄られ、さらにきわどいタイミングのアウトにチャレンジのおまけがついた。結果的に判定変わらずアウトで試合終了だったが、もしセーフだったら緊張感を元に戻すのが大変だろうから多分負けてたな。一塁手は股関節の柔軟性が必須だと再確認。

           かつてのレッドソックスだったら死球推し出しの時点で負けのダークサイドに陥っていたように思うが、すっかりメンタルが常勝チームになったね。なにせベッツ、ベニンテンディ、ボガーツ、ブラッドリーJrのBだらけ打線なわけだが、かつて「呪い」を言われていたときは、劇的敗北にBの選手が必ず絡んでいたものだ。時代も変わった。ちなみにヤンキースのブーン監督は、かつての呪いのBのうちの1人だったが賞味期限は切れていた模様。ま、やはりABC対決にNYYはおよびでなかったのさ。スマンね田中さん。

           

           というわけで、ナ・リーグのBB対決は、2年連続ワールドシリーズ進出を狙うドジャースと新参者のブリュワーズとの新旧対決でもある。マエケン―KジャンセンのKKコンビ(もしくはケンケンコンビ)の出来次第か。

           

           ア・リーグは、昨年の地区シリーズと同じ顔合わせで、アストロズとレッドソックスのAB対決。強力ABC打線と、BBBB打線の対決でもある。ないしはアストロズ・マルドナードとレッドソックス・キンズラーの「ともに今季のはじめに大谷さんにサイレントトリートメントしたもんね」同士の対決でもある。2人ともエンジェルズを出て得したね。

           

           ワールドシリーズは、ドジャース×アストロズの2年連続対決か、ドジャース×レッドソックスの伝統チーム同士だけど102年ぶり対決(おもにレッドソックスのせい)か、それともブリュワーズ×アストロズの「お互いMLBの都合でア・リーグ⇔ナ・リーグ変更させられた悲しきエトランジェ」同士対決か。いずれも捨てがたいが、ブリュワーズ×レッドソックスの枕詞を何も思いつかない対決の可能性も十分ある。


          秋晴れの日

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            こう見ると的までまあまあ遠いでしょ。

             

             地元で国体をやっていた。
             実家は、前回国体のときに、競技場建設と合わせて造成されたかつての新興住宅地である。同世代の親たちがそこに暮らし出し、同世代の子供であふれかえった。なので幼馴染含め我々は国体の子といっていい。それからおおよそ半世紀たち、単純計算でも自ずと持ち回りの順番が来る。

             

             すぐそこにスポーツパークがあるため、国体に合わせて施設のリニューアルが進められているのは勝手に目に入る。何年も前からあちこちが閉鎖されて重機が入り・・・、というのを見てきて、いよいよ今年かあというような感覚は嫌でも醸成されるのであるが、いざ開幕となると全国的な注目のなさを痛感することになる。確かに毎年どこかで必ず開かれているのだろうけど、気に留めることがないからそりゃそうだ。皆既日食みたいなものか。地球上のどこかではかならず見られる勘定になるが、日本で見れるときだけ大騒ぎになる。

             

             帰省すると、駅周辺はあちこちに結果が張り出されていたり、土産物屋が増設されていたり、会場行きのシャトルバスが発着していたりでまあまあそれなりの雰囲気だった。終了間際だったので、競技の大半は終了していたし、県内全域に会場を設けているので、競技によっては行く気が起きないくらい遠い。地元の英雄たる五輪選手が出場するバドミントンは、彼女の地元での開催だったので、距離的にいって着いたころには終わっている時間帯だった。

             

             とりあえずはアーチェリー決勝を見物するとしよう。実家から自転車を10分ほどこいだところにどういうわけかもうひとつスポーツパークがあって、そこでやっていた。五輪選手の古川が出ていたので得した気分だ。

             

             俺も国体に出たことがある。高校時代アーチェリー部にいて、マイナーな貴族スポーツにつき田舎には4校しかなくうち1つは女子だけ。必ず3位以内に入る状況だった。そんな中で他の2校が男子部員不足で団体戦をろくに戦えない状況とぶつかり、棚ぼた的に優勝した。特に俺に関しては団体戦のメンバーにも入っていなかったので棚ぼたもいいところなのだが、とにかく「インターハイ出場」ということになった。

             

             それでいざ会場についたら、あらゆる表示に「国体」と書いてある。聞けばインターハイは全く別の県でやっていて、アーチェリーは当時含まれていなかった。ただの高校の全国大会が国体会場で行われていたということらしい。結果はわざわざ書くまでもなく、「出れるから出た」以外の何者でもない。

             

             さて時を戻して、大阪対愛知の男子決勝だ。古川が10点(的の真ん中)を連発するのを、へえ〜と眺めて終了後に周辺をぶらぶらすると、各県選手の控え場所のテント群があった。よくある白いテントが林立する下にテーブルがずらーっと並んでいて、試合を終えた選手たちが弁当を食ったり茶を飲んだりしながら談笑している。そういえば自分のときも、こんなテントの下で飯食ったなあと思い出した。急に過去の記憶が生々しく甦ってノスタルジックになるあの感覚ね。ただし惨憺たる結果に「はよ帰りてー」としか思ってなかったから思い出しても全然楽しくない。

             

             再び自転車をえっちらおっちらこいでメイン会場へ。普段はフリーパスで自転車ですいーっと通れる田舎のおおらかさを体現したような公園だが、さすがに多くの門が閉じられていて、臨時の駐輪場に移動させられる。外周の柵には、特産品や景勝地などをモチーフにした47都道府県ののぼりがはためいている。地元の児童生徒が動員されたのだろうか、手書きの絵なのだが、我らの地元ののぼりは超雑なカニの絵で済まされていた。わかるぞ、その気持ち。行ったことのない県のシンボルを調べて描く作業でキャッキャ言ってる傍らで、なんで自分だけ地元やねんという不貞腐れだろう。愛郷心より未知の世界に触れることの方が圧倒的に優先される。こうして俺のようなワールドクラスの人材を輩出する土地柄なのである。

             

             桐生のお陰で9.98スタジアムとデカデカと掲げる競技場で陸上(少年の部)を見た。高校生たちか。結構親も来てる様子である。外には売店のテントも並んでいて、今時っぽく凝ったメニューのあれやこれやを売っていて、まあまあ繁盛している。その向こうには、クラスメイトの実家が営んでいるレストランの看板が見えるのだが、少しは特需に預かったのだろうか。というか、チェーンが席巻する時代にあって、特にこれといった特色もない「レストラン」がしぶとく生き残っているのだから敬服する。

             その向こうには、かつて県教委だか市教委だかの建物があったのだが、潰されて巨大駐車場になっていた。築地市場ミニ版。小さいころは子供向けの事業に参加するため何度も足を運んだ場所だから、これまでの人生で場外で一度だけ寿司を食っただけの築地よりは遥かに縁がある分、寂寥感も勝る。

             

             まあまあ大がかりなくせに特段メディアから注目もされず、それでも続いている大会というのもすごいもんだと改めて考えさせられたのだが、あえていえば「この程度」の大会でもこんだけ手間暇かかるんだから、オリンピックを考えるとなかなかの恐怖をリアルに体感できる。貴重な体験であった。



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