ノスタルジックなお仕事

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     昨年末の公演でのこと。あと30分ほどで開演というときに、今吉が販売用の過去公演DVDをしげしげと眺めている。「こんなときに何してんねん」というと、「昔を振り返るのって結構落ち着いてきますよ」と半笑いで言う。

     ここ数日、昔を振り返る作業をしている。ホームページ復活に向けて、デザイン等は作成者の仕事であるが、テキストデータは僕が書かないと始まらないので、劇団の自己紹介だのリンク先のURLだのをまとめている。その中に、「公演履歴」というコーナーがあるので、必然、懐かしき昔を振り返らざるを得ないというわけだ。

     実は今年で劇団ころがる石は10周年というアニバーサリーイヤーを迎える。イヤーはアニバーサリーだが、特段今のところアニバーサリーなことは何も企画していない。それはさておき、10年も(無駄に)歳月を経てると当然、過去の公演はそれなりな数になるわけで、よっこらせと段ボールから取り出した過去公演の資料も揃ってたり散逸してたり様々である。

     僕は10年のうち半分は会社員をしていて無縁だったので、内容を知らない作品も多い。今回初めて見るチラシというのも実はあったりで、初期のころのまだまだ学生なノリの出来に、微笑ましいような憎たらしいような気分にさせられる。

     では僕が関わるようになってからの約半分の作品についてはというと、これがもっとややこしい。かつて誰かが「作品を発表するのは『自分は馬鹿です』とさらけ出すようなものだ」と言ったけど、まさにそういう意味では馬鹿の見本市のド真ん中である。しかしノスタルジーに浸るのはそれはそれで楽しいことでもあるから、ほろ酔い気分と二日酔いが目まぐるしく交互に訪れて、なかなかに重たい。多くのバンドがベストアルバムを嫌うのもそういうことか。ま、ベストアルバムが一番売れるものなんだけど。
     それなりに評判の良かった旧ホームページより、さらに情報過多な内容にしていくつもりなので、ご期待あれ。

    森達也と巨乳の話

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       森達也をゲストに迎えた、辻元清美のトークセッションというのに行ってきた。会場は当然というか、高槻である。

       もしかするとマトモな用事で高槻に来るのは初めてかもしれない。結構街だなあというのと、結構古くて渋い雰囲気もあるなあと思う。

       森達也というのは、一応説明しておくと「A」という、非常に面白いドキュメンタリー映画を撮って注目を集めた人で、だけどそれはテレビの企画だったのが潰されたので仕方なく自主映画にしたというどこか後ろ向きな経緯があり、なぜかポシャったかというとオウム真理教を扱った内容が危険視されたからで、しかし実際の内容は過激でもなんでもなくただただ面白いので、それを見て報道に憧れる学生もいたりして、だけどやっぱりTV局の面接で「森達也に憧れて」などと志望動機を語ろうものなら白い目で見られて落とされてしまうという、常に本人の周りが勝手に騒ぐので、意図せず相対的に震源地になっているというおとぎ話のような人だ。

       辻元清美は、かつて別の講演会で見たことがあるのだが、一緒に行った友人と「案外巨乳だな」とクダランところに驚いて、そしたら数日後に出た週刊誌に「辻元センセイ以外に巨乳」という記事が出ていて、ああみんなそこは反応するんだと妙に納得させられた、何というかテレビのイメージより女性的な人である。

       トークの内容も、このテレビのイメージと現実のズレというところから始まったいたのであるが(無論辻元さんの胸の話ではない)、テレビで干され、映画は儲からず、最近は文筆にシフトしている森さんは、講演もなかなか話の運びが上手くて聞かせるものがあって、元々話しがそんな上手そうな人には見えないので、なるほどフリーで生きてくのはこういうことかと思わされる。

       話の中身の中を若干。「主語が大きくなると述語も大きくなる。主語が一人称単数だと述語は暴走しない」。いい話です。何で僕が演劇論とか、「お客様が」云々という話が嫌いなのかよくわかりました。  ニュースのモザイクの話もあったけど、早速こういう記事があって、やっぱり匿名だったりする。逆転無罪なら尚更実名で伝えないと意味がないと思うんだけど。巨乳つながりなのは単なる偶然です。

      http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080303-OYT1T00578.htm?from=top  

       気になる次回作のテーマはかなり興味深くて笑ってしまった。ここで僕が書いてそれを知るより実際出たとき衝撃を受けた方がよさそうなので書きません。

       辻元清美は、喋る仕事だけあって普通に話が上手いんだけど、2人が交互に語るのを聞いていると、やっぱり政治家と物書きの言葉の違いというのが伝わってきて面白かった。辻元清美の言葉は切れ味鋭い。森達也の言葉は、そうではない。だけどその「そうではない」ところに彼のファンは共感を覚えたり、今の新聞やテレビニュースにはない面白さや可能性を感じ取ったりしている。果て、我々に必要なのは…、いや違う、私に必要なのはどっちだろう。

      ライブレポート

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         レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのライブに行ってきた。
         ボーカルが脱退表明してから出戻ったという経緯を辿ったバンドで、再結成の中ではやけに間隔の狭い再結成である。

         その数日後に開かれたポリスみたいに、再結成っていうのはかなりの期間が開いてるのが一般的である。こういうのは基本的、リアルタイム世代なら「懐かしい」、その後の世代なら「CDの中だけの存在を生で見れる」ということで、始まる前から歓迎が保障されている。ま、レッドツェッペリンみたいに年食いすぎてしまうと「果たして演奏できるのか?」という心配が先にたってしまう恐れもあるんだが、いずれにせよレイジの場合はどれも当てはまらず、解散前の演奏を当然期待されるし、出来なければがっかりされるという結構引き算評価な挑戦である。
         しかしそうやすやすとは昔を取り戻せないことは、改めて音楽聴けばすぐわかる。あんなムツカシイことまくしたててギターがギュワンギュワン変な音出してるバンドが売れるなんて、奇蹟に近いよほんと。

         というわけで、大阪城ホール。一緒に行った会社員時代の知り合いナカムラさん(仕事サボり中)と「大阪城ホールはしかし、よくない小屋よなあ」と話していると、会場が暗転して巨大な真っ赤な★がライトアップされ、「インターナショナル」が勇ましく流れ出した。始まり方としてはかなり格好いい。気分も盛り上がるというものだ。

         で、演奏だが、脱退していたボーカルのザックデラロッチャが、雑誌の写真で見ると太っているのに、舞台上ではちょっと小さく見えた。アリーナの最後尾くらいだったんで、全員小さく見えたんだが、しぼんでる、ってやつですか。
         声は出てたんで、何の文句があるんだい、という話だが、こういうライブパフォーマンスのエネルギーがほとばしってたり、そうでなかったりというのは、科学的には一体何の作用によるものなんだろう。 会場はかなり盛り上がっていた。ナカムラさんは「みんな歌詞の意味わかってんのかな」と苦言を呈するが、少なくとも僕はわからない。CDの訳詞を見れば、アメリカの抱える多くの矛盾についての怒りを述べているというのはわかるんだけど、実感としてわからないというのか。

         だけど彼らの曲を聴いて、うおおと叫んでると、何だか気分はちょっとした反逆児である。なるほどこれはロッキーを見た後、シャドウボクシングをついしてしまうようなものか。ナカムラさんも、ライブの後飲みに行った店で、酔いに任せて店員に熱く革命思想について語ってた。非常に愛想のいい店員さんが一所懸命「はっはあナルホド」と聞いてるのをいいことに、さらに熱を帯びるナカムラさんの舌鋒に苦笑してしまったが、これもシャドウボクシングなのだろう。

        最近の話

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           向井のみならず、毎度受付を手伝って貰ってる岡本さんからも「ホームページの一気更新は読むのが大変なのでやめてください」と説諭される。なので一話更新です。

           先日、映画を専攻してる大学生の卒業制作の発表会に行ってきた。縁あってその中の一本に劇団の吉岡が出演したという理由だ。

           それも含めて数本の短編を見たんだけど、学生といえど馬鹿にできんぞという出来の作品もありつつ、君は一体何を勉強してたんだ!という出来のもありつつであった。
           卒業論文と違って、こういうのって学んだ成果がそのまま反映されるような印象を受けて、ある意味怖いなあと思う。僕が見よう見真似で撮った一本目よりヘタするとマズいんじゃないかと思わされたもんなあ。ま、個人的にはどこか「助かった」とセコイ安堵感を抱いたのも事実だけど、映画ってきっちり計算づくで撮らないと、やっぱそういう絵になっちゃうよなあと実感させられたことの方が大きいか。 

           その後、公演を終えたばかりのONE WAY TRIPのバラシ(後片付け作業)に顔を出す。手伝いという殊勝な理由ではなく、照明担当のオケさんが本日誕生日だというのでケーキを買ってきてくれという依頼を受けたからだ。
           そのままの流れで打ち上げにも顔を出すが、ちいとも関係してない現場の打ち上げはやはり居場所がないもので、早々に(といっても開始が遅いので終電間際)辞去する。そもそも僕は自劇団でも打ち上げがちょっと苦手である。各位と膝突き合わせてじっくり話したいんだけど、お祭りムードでみんな馬鹿話をしてるから真面目な話をするわけにもいかず、グズグズしてる間にあっちの人は「終電ですー」と帰っちゃったりで。

           それはさておき、BBSで無理矢理つないでる当ホームページですが再建に向けて動いとりますとだけ改めて伝えてこの項を終わります。

          切磋琢磨

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             先日は、会社員時代の同期Nと数年ぶりに会って飲みに行った。会社の中でも最も忙しいというか拘束時間が長いというか、そういう部署の担当なので午前零時から午前5時までというクラブイベントのような時間帯での酒となった。

             さてサラリーマンというのは、会社と仕事、自分自身の三つを自分の中でどう位置づけていくかが最大の命題ではないかと思う。こむつかしい言い方なので、わかりやすく一般的な身の処し方を大別すると、

            1.会社に染まりきってしまう。
            2.仕事は大過なく済ませておいて他の生きがい(家族とか趣味)を見出す。
            3.ばっくれる。になる。

             1はさしずめトミイ副部長、2はさしずめ浜崎伝助、3はさしずむもさしずまないもなく私である。

             ここに実はもう一つの選択肢があって、それは「仕事で会社の望む成績をあげつつ、自分の好きな仕事が出来る立場を狙う」というそれなりの優秀さと計算高さと胆力が要るものである。Nは多分これにあたる。 差しさわりがあるといかんので詳細は触れないが、会社の求める仕事に「しょうもないのー」と嘲笑を浮かべながら、4番目の選択肢を実現させるべく、それなりに明確な青写真を描き始めているようで、それはとっとと「3.ばっくれる」を選択した僕には元よりない逞しさとしなやかさによるものであり、「3」を選択した人間の唯一のアドバンテージである「理想の追求」も僕なんかより全然視界に入っているような印象を受けたのである。その心境を説明すると当然暗い話になるのでやめておく。

             で、酒ばっかの話で要らん心配を呼びそうな気もするが、これまた先日は会社の後輩に当たるウナキとたまたま飲むことになる。後輩といっても僕が辞めてからの入社になるので正確には単なる知り合いということになるのだろうか。共通の知人と飲んでるときに彼もいた、というシチュエーションである。

             このウナキというのはなぜか僕にやたらと突っかかってくるやつで、僕が主役とすれば漫画には欠かせないキャラどころになる。この日も現れるなり「あんたいつまでそうやって遊んでるつもりだよ」とかましてくるもんだから、つい最近ほくろの除去手術で心胆の弱っている僕とすれば、ぐむっと言葉に窮してしまい、「そういうお前はちょっとは仕事出来るようになったんかいな」「バリバリじゃボケ」などと、それなりの年の差の2人がちっともイイ歳をこいてないザ・子供の喧嘩をするのであった。蛇足ながらそういう物言いは彼なりのギャグというか激励というかそういうもんなんだけど。
             というわけで、硬軟織り交ぜた刺激を受けたワタクシなのでありました。


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