荻野、田口

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      バレーの男子が始まって、ちっとも一所懸命見てないくせに、荻野選手にはがんばってほしいなあと無責任に応援している。
     同郷というそれだけといえばそれだけなんだが、俺が彼を見ていた高校生のころ、全日本男子のエースは、今回スタジオで解説している中垣内で、セッターは今監督として高そうなスーツをきている植田だった。
     年齢差があるから当たり前ではあるんだが、周りがそれぞれ現役を退いた中、未だユニホームを着て、それも代表に選抜されている荻野はそれだけで格好ええなあと思う。見てくれは相変わらず日本海顔ですが。
     外見だけで言えば、やや太ったけど、相変わらず背筋が伸びた植田監督がNHKのプロフェッショナルに出てきそうな凄腕経営者のような男っぷりすね。

     ところでやれ松井だ松坂だとかまびすしいが、少なくとも今年のシーズンに関して言えば、何といってもカージナルス田口だ。荻野と同世代。ロートルの活躍がシビれるぜ。

     ワールドシリーズMVPに選ばれたのはエクスタインという選手だが、陰のMVPは間違いなく田口である。多くの日本人は「補欠がドサクサ紛れでチャンプのおこぼれに預かった」程度にしか捉えてないかもしれないが、田口がスーパーサブとしてきっちり仕事したからカージナルスは優勝できた。
     リーグ優勝決定戦のメッツ戦、絶対的な守護神ワグナーから本塁打を打ったのがその象徴。最後の最後に出てくる抑え投手と、貴重な場面で出てくる代打は、立場は同じようなものだと思う。で、田口が打った。要はそういうことである。
     アメリカのファンは皆それを知っている。監督は「田口がMVP」だと言った。日本のメディア向けじゃなくて、カージナルスのファン向けに、だ。日本じゃあんまり知られてない。いいのかそれで。

    ルート1完成

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        バンドの日。公演の関係で間が空いたので久々のスタジオ入りに気分も高揚してくる。

       この日は、バンドの二つ目のオリジナル「ルート1」を完成させた。このバンドを方向付けるような代表曲になりそうな雰囲気のする曲だ。
       というか、前回ほとんどできたなと思っていたんだけど、間奏への入りはどうするかとか、AメロとBメロのつなぎの部分はどうするのか、とか、細かいところをつめていくと案外時間がかかるものだと気づかされた。
       バンドに関しては、映画撮影以上に初心者なので、映画のとき以上にひとつひとつが新鮮で楽しい。ルート1に関しては、俺も結構アイデアを出せたし、こんな調子でオリジナルをどんどん仕上げていきたいなあと思う。
       やっていることは、古典ロックを辿る旅、つまりパクりパクりのパックマンだが、今あんまりやってないタイプの曲なんじゃないかという気もする。

      雄琴停車

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         1週間近く滞在した東京を辞して、直接田舎に帰った。新幹線を米原で乗り換えて北陸線の乗るのは、何年ぶりだろうか。米原は東京に比べるとやけに暑くて、ついでにここで新幹線を降りる客は、ほとんどが北陸線に乗り換える。特急「しらさぎ」は大混雑である。車両が半分かそれ以下の連結数になるから、全員収まるのだろうかと心配になったが、全員収まった。

         

         1時間強揺られて我が故郷に到着。京阪香里園や阪急蛍池のように、一昔前に比べればやけにモダンに垢抜けた駅舎に降り立った。田舎の駅はどこも東京と同じような感じで面白くないと、向田邦子だったか、書いていたのを思い出す。国語の授業か試験かで出てきた文章だった。当時中学生のころ読んだときは、いかにも都会人の発想だと反発を覚えたものだが、東京の街並みを見ていると、少しの金で地元の独自性を演出するというセンスに出くわすから、少なくとも「他の方法がある」という学ぶべき幅があるのは間違いない。

         

         田舎では。親が購入した強力なパソコンで芝居関連の印刷物の制作といった仕事をこなしたり(なんせフォトショップやイラストレーターといった重たいソフトがワードなみの速さで立ち上がる)、ビールを飲んだり、姪が海に行くのに付き合わされたりビールを飲んだり。ただいま同地に赴任している会社員時代の先輩T氏と語らい合ったりビールを飲んだり、既に二児の母となっている高校時代の同級生数人とランチを食って、子育てトーク(それも全員「2人目の面倒くささ」について語っている)に全然加われずにビールを飲んだり、であった。

         

         短い滞在を終えて大阪行きのサンダーバードに乗り込むと、人身事故で急停車した。この列車が事故ったわけでなく、大阪の摂津富田あたりで起こった事故の影響で、雄琴という渋い駅で降ろされた。折角なので京都駅で「阪急に乗り換える」と代替輸送の手続きをとって京都市営地下鉄と阪急をただ乗りした。京都駅はホテルルワンダ並の混乱具合で、東京で起こった大停電といい、都市をパニックに陥れるのなんて簡単なんだなあと重いながら、母親がくれた「最近お気に入りのパン」という田舎の有り難味も特にないものを食した。
         


        靖国は晴れているのに雨が降ってた

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           靖国に行こうとは東京に来る前から決めていた。知り合いから「15日に行かないと意味がない」とのアドバイスを受け、滞在予定を一日延ばして行って来た。事前に記者をしている知人から入手した「小泉9時ごろ参拝」の情報は見事にハズれ、早朝から動き出した首相の公用車をヘリコプターで追いかけている映像が、朝のニュースで中継されている。タクシーをすっ飛ばして靖国まで行くかどうか、少しだけ考えてみたが、テレビからちょっと白けた印象も受けたので、余計な意気込みはひっこめた。


           朝9時くらいに九段下の駅で岩名君や向井らと待ち合わせると、既に結構な人手である。15日に行けと薦めた知人以外の複数人からも「コスプレカラオケ大会だよ」と聞かされていたのだが、確かにまさしくそんな感じだった。俺は歴史を勢いとか情緒とか政治で絡めとろうとする行為が大嫌いで、いわゆる「歴史問題」においては右翼も左翼も政治家も新しい歴史教科書も嫌いだ。

           

           それでも、死刑廃止論者に「お前の家族が殺されたらどうする」と突きつけるような「反駁できなさ」があるのかしらと思いながら靖国を訪れた。あまりに聞かされ過ぎたせいで、想像したよりは少ないと思ってしまったが、確かにコスプレカラオケ大会である。社殿は結構立派だから、15日でなければそれなりに崇高な気分になったかもしれないが、この喧噪では馬鹿馬鹿しさが先に立つ。

           思想信条は自由だから、何をやろうが主張しようがやればいいんだけど、この予定調和な感触はなんだろう。車椅子の向井はなぜかそのテの団体の関係者と思しき人間から、やたらと「大丈夫ですか」「押しましょうか」と声をかけられていた。この唐突で役立たずな狒碓姚瓠蔑ち往生しているわけもない車いすに「大丈夫ですか」と問いかける行為に出くわした向井は目を白黒ただ困惑していた)の出所は、「コスプレカラオケ」と同根のように感じられて仕方なかった。

           

           そして最近やけに耳にする「遊就館」に800円払って入った。歴史認識の是非がどうのこうのという以前に、博物館としてはあまりに幼稚というのが、とにかくの感想だった。展示物の説明書きが乏しくて、一体どういう史料価値があるのかわからず、寄贈年月日だけが律儀に記載されている。『小学六年生』の巻頭カラーみたいな図解パネルがやけにしつこいし、史料価値の高そうなものと、いかにもそうでなさそうな模型や絵画が玉石混交で、「秘宝館」という定型句が脳裏をよぎる。
           まあ専門家でも何でもない神社がやっているから、あんまり責められないのかもしれないが、それだったら何でこんなに議論になっているのだろう。実家に帰ったら、中日新聞の連載でまさしくこの遊就館に通う「プチナショナリストな若者たち」というような記事が載っていたが、現物を見ると記事の視点が紋切型に思えてしまった。

           

           1階のガラスケースには、兵隊の遺品が、あまり整理されずに「並べた」というよりは「詰め込んだ」といった方が正しそうな扱いで収められている。レイテ島などから持ち帰った、穴の開いたヘルメットや、腐食しきった拳銃、その他の備品など、いうなれば戦場の断片がこの扱いである。戦艦の模型や絵が大仰に飾ってあるのに比すれば落差を感じざるを得ない。
           「―兵卒にいたるまで、みんながこの国のために命を落とした、それに感謝し直そうではないか」。それが今の「ナショナリスト」たちの主張だろうに、その1つの拠り所とされている施設がこれだろうに、兵卒の扱いは所詮こんなもんだというあたりに、プチかグランか知らないが、ナショナリストを標榜する連中の本質が透けて見える。

           

           俺の祖父はインドネシアで戦死しているいわゆる英霊である(死亡確認はされていないので、今も生きてるのかもしれないが)。不孝な孫は、最近になってようやく祖父の戦死の状況について親に尋ねたというテイタラクなのだが、そんな馬鹿孫は思う。果たしてここに祖父はいるのだろうか。はてさて。
           


          最終日

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             前日は、会社員時代の知り合いと久々の再会を果たした。今年36歳のナオサンは二児の父のくせして会うたび若返っている気がする。腕白坊主みたいな人柄のせいだろうか。真面目な俺は、この先見かけから老けていくのだろう。

             

             最終日。日付の割には大勢のお客が来てくれた。最終の動員も予想を上回ったみたいだし、東京ってやっぱり人口が多いんだな。
            この日は我らの前に上演した二本のスローペースにやや誘われたのか、序盤ゆっくり始まった岩名君に、ひたすら「巻け〜」と念を送り続けた。演出という立場はラグビーの監督のように、始まるとただ眺めるだけだ(監督の場合は、伝令を通じて多少の指示はしているらしいが)。俺の念とは無関係に、この日のステージは、苦戦を強いられてきた大阪東京シリーズを通じて、ようやくかなりの笑いを取ることができた。岩名君グッジョブ。

             

             とはいえ俺自身は、達成感にはちょっと遠かったというのが正直な感想だ。岩名君はよくやってくれたけど、果たして演出は正しかったのか疑問符が残った。東京だからという気負いは当然あって、勝手に空回っていたと思う。アウェイというのは自分で創り出してしまうものだということか。まあ、どちらにしても、いい経験だった。
             



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