前回雨で流れた野球の仕切りなおしである。「18人も集まれる日は来るのか?」とこのブログでも書いたが、意外に早くその日は訪れた。
会場は舞洲の野球場。なにせ高校野球の地区予選決勝が行われる球場である。天然芝で両翼100メートル、一万人収容と、何もかもが分をわきまえないサイズだ。当然ながら1万人どころか1人も観客はおらず、北朝鮮の無観客試合さながらである。
いっちょまえのナイター照明に照らし出されたフィールドに立った我がチームの面々と言えば、急すぎる開催決定のため前回参加予定だったナックルボーラー・悟さんや生野のおかわり君ことハナヤマら野球経験者がいずれも都合がつかず、かなりのビギナー集団であった。対する相手は捕球のときにグラブにバシっといい音を響かせるようなそれなりの集団である。強そうだ。野球マンガの展開としてもここはやはり味方に一人の天才が欲しいところだが、これが現実ということだ。
一回表、相手投手がなまじっか綺麗なフォームで投球できるせいか、意外に皆ヒットを重ね、何点か(覚えてない)点を取る。
一回裏、先発の向山は、なかなかの快速球を右に左に高く低く豪快に投げ分け、四球を連発するも最後には見事三者三振に切って取り、なんとか数点で(覚えてない)終わる。
二回表、向山の死球を絡めた連打で逆転する。
二回裏、向山の後を受けた高見君が向山同様豪快に投げる。この辺りからワイルドピッチではあんまり進塁しなくなってきた。点は取られたが、ピーゴロを見事さばいた高見−森下の連携プレー(基本の基本)、野球ド素人を公言しながら体を張ってゴロを止めた黒瀬君のファインプレー(送球は明後日方向)などが飛び出しなんとかチェンジ。
三回表、チームの中で一番スイングが綺麗な上地君のクリーンヒットなどで同点に追いつく。
三回裏、さあここからビシっと締めていくぞ!とようやく北陸のランディ・バースことエース・ワタクシの登板となる。俺様はしかし、普通の投げ方では全くストライクが入らない。唯一自信がある投球フォームはまさかのソフトボール投げである。ここは水原勇気投げと言っておこう。それはアリなのか?という空気が場を支配するが、ストライクが入れば問題ないんじゃない?ということで続行となる。この日のために渡辺俊介「アンダースロー論」(光文社新書)も読んできた。
投球の基本は外角低めに投げること、と野村克也も江夏豊も言っている。球界を代表する名捕手と名投手、それも犬猿の仲の二人が言うのだから間違いあるまい。ええい行け!外角低めドリームボール!と投げたら球はゴロゴロと文字通り地面を這ってボーリングになってしまった。いかん、リリースポイントが早すぎる。これでどうだ!と投げれば絶妙のド真ん中でパッコーンと外野まで飛ばされる。
とかなんとかやってるうちに、腕はもげそうになり膝はガックガクになった。人気マンガ「おおきく振りかぶって」で「マウンドに隠れる場所はない」という台詞があったが、気分的にはマウンド上でポカリ飲んで5分くらい休憩してから投げなおしたい瞬間が何度もあった。
4回表、またもや向山の死球を絡めた攻撃で点を取るが、逆転には至らず。
4回裏、今吉−梅田とさらに細かい継投でなんとかイニングを終わらせたところで利用時間切れとなって終わった。
やる前は「何回まで体力もつかな〜」なんて言ってたが、まさか体力ではなく時間の話だったとは。しかし4回て。試合成立してへんやん。あれ?よく考えれば、ワタシが負け投手ではないか。