横はげと消えてない天才とカゾク系

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     今年も右手左手会議を録画してまで見てしまった。佐々木、奥川といった注目株がどこに行くのかというのは興味がないわけではないが、もっぱらの関心は、確率論がいかに人間に容認されないのかの光景なのだった。この辺のことは一昨年書いており、特に付け加えることはないが、巷間騒がれている通りに3〜4球団の競合となった両投手が、いずれも指名確定後もずーっとアストロズのブレグマンくらい無表情だったのが印象的だった。つい、先ごろ亡くなった金田正一が引き当てたときの小池秀郎を思い出す不穏な想像をしてしまうが、10代の少年の進路決定に、いい年のおっさんが血眼になって食いつき、かつくじ引きで決まるんだから、まあどういう顔をしていいかわからんよなあ。


     無理矢理を承知で想像してみる。俺の就職活動で複数社から指名が来たとして、で俺自身にも最低1社は1位で指名来るんじゃないかくらいの腹積もりはあったとしてもだ、複数社指名してきたら確信と驚きが同時に襲って来るだろうし、「おーっと引き当てたのは北海道新聞だ!」などとなったら、何をどういう順序で消化してよいやら。とりあえず何かわからんけど就職決まってよかったねとしかいいようがない。被指名側の精神衛生上においても、完全ウェーバー制にしたら?


     今年はくじで外した球団が、さっさと1本釣りに切り替えたので、現地のテレビカメラはもとより試合の映像素材も追いついていないケースがちらほらだった。まあそれがプロの仕事だろうね。2度も3度もくじで競合するのは、そうなる一定の確率はあるにせよ、担当部門の責任だ。

     

     あとどうでもいい話だが、新監督就任で久々に見た佐々岡が太っていて、うっすらとN国の立花に似ていたような。与田は横方向に額が広がっており、細川たかしみたいになっていた。細川たかしだけのレアなはげ方かと思ったがそうでもないんだな。あとオリックスの福良と西村監督は似ていると知った。途中でくじを引く役が入れ替わったのに、俺もアナウンサーも気づいてなかった。

     

     ドラフトを録画までして見た理由はもう一つあって、メジャーのポストシーズンに関係している。例年このレベルの短期決戦を見ていると、もはやくじ引きではないのかという気がしてきているからだ。


     レギュラーシーズンで打ちまくっていた打者が打率1割台になったり、頼れるエースが炎上したり、こういうのはもはや、何か具体的な原因があることではなく、ただの運/不運ではないのかという疑念が脳裏をよぎり、否定しきれないでいる。そういえば解説者の解説も、あまり説明になっていなかったり合理性がなかったり、予測が見事外れたりするもので、ドラフト実況の「右手で取りました!」同様に意味のないものに聞こえるときもしばしば。ポストシーズンというのは、ただの壮大な右手左手会議を見せられているだけではないのか。そんな思いにとりつかれ、本物の右手左手会議を確認したくなったのである。すると、奥川を当てた高津とアナウンサーのやり取りである。

     

     「いきなり大仕事でしたね」
     「どうしてもピッチャーを強くしたいと言った手前、絶対引いてやろうと思いました」
     「3球団が競合して一番最初にくじを引きました。何か作戦はありましたか」
     「いやまあ直感で、あたった封筒を取ろうと思いました」

     

     これ、サヨナラ打を打った選手のヒーローインタビューと同じやん。「絶対打ってやろう」「来た球を打とう」。やっぱり試合もくじ引きと同じなんじゃん、と確信してしまったのだった。ま、真相は順序が逆で、単にくじ引きのインタビューをヒーローインタビューに寄せているだけなんだが。でもまあ、くじに作戦なんかあるかよ、と同様、野球も場面によっては周りが期待するほど作戦はないものだ。


     まだ続く。
     毎年ドラフトを中継しているTBSは、そのあとの時間帯で「お母さんありがとう」という特番を例年やっている。ドラフトの陰に母の愛のドラマあり、といった趣旨の内容だ。フィクションじゃない題材に毎年同じフォーマットを用意するような無理をしているから、やらせで2番組も打ち切りに追い込まれるんだろうに。

     

     母親が死んだとき、地元紙が「お悔み」に掲載するというので電話をかけてきて、告別式の日程とともに故人をしのぶ喪主のひと言を載せるのだという。「やさしい方でしたか」と誘導尋問するので父親が「厳しかったけどなあ」と回答したが、紙面には「やさしい母でした」と喪主だった兄の言葉として載っていた。父が「厳しかった」と答えたのは、わが一族が「山内上杉」「扇谷上杉」ならぬ「斜構森下」だからというのがまずあり、その点で地元紙掲載のコメントは家名に泥を塗られた格好なのだが、母親は厳しかったのは事実である。

     

     ドラフトは中継のある一位指名の後も、各球団、育成も含めれば10人前後採用しているので、ヤワなファンである俺にはよく知らない名前がほとんどを占めるのだが、一応ネットニュースで確認している。それで知っている名前があったので検索したら、西武が8位指名した岸潤一郎って、まさにやらせで消えた番組「消えた天才」に出てたと知った。消えてねーじゃんというのが小気味よい。「名もなき夜空の星に」「いや肉眼で見える星には全部名前ついてますよ」っていう話のように小気味がいい。

     

     アマチュア野球に詳しい先輩氏から教えられた話では、大学進学後に紆余曲折相当苦労したというが、その岸ほどではなくても、いろんな経歴の人間が指名されているようで、よほどこっちの方がおもしろい話がわんさかある。
     それでも「お母さんありがとう」か。ノーベル賞受賞がニュースになると「妻の支え」が決まってニュースになるが、あれは受賞内容を誰も理解できないのが理由として大きいが、同じくドラフト=母になるのも、よく理解できない人間が担当しているのだろう。だから「日本のいちばん長い日」の制作陣も、「日本のいちばん長い日」がどういう映画なのかよくわからんかったんだろうな。しかし流れる先が何で「家族」なんだ。仕事・家族でしか世界像を認識できてない、セカイ系ならぬカゾク系だからかね。


    「書きたくなる〜」その後のその後

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       台風の日の続き。実のところ季節の変わり目、体調もあまりよくなかった。なので予定がすべてなくなったが、代わりにしたことといえば自宅でテレビを眺めるくらいだった。特にNHKは、内閣改造にかまけていた15号のときとの温度差が物凄い。見ながら「共犯者たち」で書いたことを思い出していた。

       簡潔に繰り返すと、見たくない(見られたくない)ことから統治者が目を逸らし、逸らしていることをバレないように報道を統制すると、結局一般市民の誰かが死ぬ。そんなような話。そして不幸なことに、死んだ人はしばしば、深く顧みられることはない。ただアンラッキーだったと思われるだけだ。そういう犇θ鉢甦愀犬鵬鍛瓦靴討い訶澄⊆分らの存在意義にかかわる大変なことだが大して自覚もないだろう。

       

       その後、台東区が避難所に来たホームレスを追い返したことがニュースになり、情報番組で芸人が垂れたコメントがまたニュースになっていた。芸人のコメントがろくでもないのはこの小木に限ったことではない。どちらかといえばテレビはいい加減そのリスクを真面目に考えろという話なのだが、リスクだと認識していないのでどうしようもない。小木のコメントに賛否、といったぬるいニュースを流している媒体も同様。

       出演者選びに何ら熟慮を感じない安易さ(芸人に限らず、学位はあるかしらんがそいつはただの業者だいい加減気づけの件など)と、第三者ポジションに逃げることで片方の妥当性を大幅にかさ上げする浅はかは、ここ何年か枚挙にいとまがない。これもまた安保法制風にいうと存立危機事態だがこれまたどうせ自覚はない。


       それで昨年に引き続き、今期も情報宣伝媒体産業を進路の一つとカウントする学生相手の講義が、ぎりぎり申込人数が足りて開講となった。日本社会の貧困化が進展する中で仕事があるのはそれだけでありがたい。普段相手にしているのとは多少なりとも毛色の異なる若人と接する機会も楽しいものである。しかし一方で、以上のような状況につき、正直困ってしまう。

       

       この危機的状況だからこそ、と火中の栗を拾いに来る学生などいるわけもなく、十何年前に相手をした若人たちと変わらない素朴な憧れでもってやってくる人ばかりが相手だ。ちょっと待ちなさい、くらいは言いたくなってしまうが、どこまで言うべきかという問題が悩ましい。要するに、下に書いているのと同じような話だ。

       

       就職活動ではしばしば、そこの業界の課題とか問題点とかについて自分なりの考えを示すことが求められることがあるから、批判もときに有効ないしは必要なのではあるが、それとて賛意をベースにした範囲内の話だ。家が古くてガタが来てるくらいなら、リフォームの話にも意味があるが、地盤が沈下してたとしたら意味がない。じゃあしかし業界の問題がひどすぎる場合、どこまで指摘可能なのか。

       

       例えば「NHKのニュースについてどう思うか」とNHKの面接で聞かれて「ニュースなんてやってないじゃないですか」とか「解説委員という名でいつまで巫女まがいを起用するのですか」とか答えたら、受かる気はせん。話題としてかなり政治的(社内政治的)な部分に抵触してるから、もっと穏当な物言いでもあんまり変わらないと思う。
       あるいは上で述べたような目に余るコメント芸人たちについても、指摘したところで意味が通じず頭の固いおもんないヤツくらいにしか思われないんじゃないか。なんせ自覚ないから。だとすると、一応は就職対策だから、受かることに関係のないことに時間を使っても仕方がないという勘定になる。さりとておっさんの責任があるだろ、という話は昨年の今頃書いたしさっきも書いた。

       そしてもちろん、どのようにすれば学生にもうまく伝わるかという難問がまた別にある。口角泡を飛ばしても、怪気炎を上げることにしかならんから誰もついてこん。こちらは俺の技術の話。

       

       まあ、どうしてこんな体たらくなのかの原因のひとつは、当意即妙の要領のいいのばかり採用しているからだと思うから、こんなことで悩んでいる意味はあまりない。余計に着地点が見当たらなくなったが、最初からあるとも思わずに書いているのでこの辺で終わる。


      台風の日

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         12日は西国に出張予定だった。加えて夜にバンド練習の約束があり、それに間に合わせるためには仕事終わりで大急ぎで駅に戻って最も早い新幹線に乗る必要があり、そのためには自腹でタクシーを手配しないと無理なので、事前に地元のタクシー会社を確認して…となかなかに慌ただしいスケジュールを描いていたのだが、直前になって出張は取りやめになった。新幹線が止まるというから土台無理なのだが、大学はそもそも警報が出ると休講になる。SNS上では「台風が来て出勤できなくなる恐れがあるので今夜中に出社して会社に泊まれ」等の狂気の沙汰に怨嗟の声が上がっていたが、その点大学は責任があるので必然理性的である。

         

         そもそも行く予定だった大学は、土曜は職員が誰もいないので、自分で鍵を開け、終了後に自分で締めなければならない。余談だが、終了後に女子学生がトイレに行くと、施錠の手前、終わるまで待っていないといけないので、これは俺今ハラスメントをしているのではないかと思えてきてしまい困る。

         

         話を戻すと、今時の大学は正課だろうが課外だろうが補講を必ずやらないといけないので、休講になると日程調整その他かえって面倒なことになる。正直なところ、警報出ているのに休講せず、学生が誰も来ずに教室に俺一人、というのが最も楽だ。日程調整しなくていいし、不労所得ごっつぁんですになる。だから休講になるというのもあるんだろうな。台風の日に会社行きたい連中も、自分だけ行ってりゃ後はファミコンしてるだけでも給料もらえるのに、わざわざ部下を呼びつけるとは要領が悪い。

         

         関西は進路からは逸れている予報であったが、昨年のあの暴風が頭にあるので、あちらこちらで風で吹っ飛びそうなものを軒並みしまっている様子を目にした。で、その日になると風より雨が酷かった。

         出張がなくなりのんびりスタジオに行けることになったが、しかし、バンド練習はやるのか?土砂降りの中、楽器を持ち出すのも、出歩くことさえ大変だ。ついでにスタジオ側からすれば、我々はまるで豪雨の日に宅配ピザを頼む客のようなものなのではないか。やはりここは中止しようと合意したのだが、途中までドラマーと話が若干噛み合わない違和感を覚えていたところ、ニュースを全然見ていなくて台風の存在を知らなかったとのことだった。そんなことあんのか。

         まあでも、阪神大震災のとき、目覚めると部屋がめちゃくちゃに散らかっていたので空き巣だと慌てて財布の在処を確認した友人もいたっけか。こいつの場合はあの揺れで起きていないのだからどうにかしているのだが、台風はレーダーだの衛星だのからわかることをニュースで伝え聞くからそうだと認識できるだけなので、確かに情報がシャットアウトされた状態では、今日は酷い雨だなあくらいにはなる。

         一方で、地震と違って何日も前から来ることはわかっているからまだマシだといえるが、それでもいざ物凄いのが来ると、わかっていたところでどうしようもない部分はいくらでもあるとニュースを見ながら思った。来るとわかっているものが実際来たら想像以上に抗えなかったというのは、想像すると心底ぞっとする。

         

         話を戻すと(2度目)、ひと月以上前から決めていた予定だったので、延期にするのは正直嫌なものである。補講と同じく日程のすり合わせも少々面倒くさい。会社員時代は、そういう仕事だったのでしょっちゅう予定が覆り、なんとかバックレようと画策したり、実際トンズラしたりした(地方都市の勤務でも、こまごましたことはそれなり結構あるものなのだな)。

         なので予定が変わることを嫌う気持ちはよくわかる。よくわかるのだが、若手のボンクラ社員と同じ行状を、50も60も過ぎたいい大人、兼、国や自治体(大阪府)を預かる立場の長が平気でやれてしまう(今回の台風ではなく、昨年のや先般の15号でのこと、大阪の場合は去年の話)というのは、君主制の限界ととらえればいいのだろうか。

         少なくとも、向いてないから辞めたら?と思う。一応君主制じゃないんだし。災害用の臨時態勢をとにかく嫌うという点、社員に無理やり出勤を命じてくるマインドとも通底しているんだろうな多分。スイッチ押せば電気がつく、の入出力だけで世界が出来ているような認識というか。だから河川敷に建物作って「有効活用」とか、避難所にもなりうる公共施設つぶして売り払って無駄削減とかいう発想になるんだろう。頭の中に平時しかない銭金平時だからな。

         

         まあ「予定変更嫌い」ととらえるのはお人よしなとらえ方で、要するに「自分らでどうにかしろ」を実践してるというのはいろんな人が指摘している通り。

         ニュースを見て思ったのは、東京はやはり災害対策のインフラも地方よりは俄然整っていて、タワマンざまあみたいなことで留飲下げても、地方はもっとひどいからやりきれん。それで「自分でどうにかしろ」に持っていきたいんだから、これはいよいよ日本でもタクシン派が出現するのか。と思ったが、日本の場合は自民党が長らくタクシン派の役割を担ってきていて、今じゃ同じなのは看板だけだけど、看板は同じだからタクシン派なんか出てきようもないか。

         

         ところで公務員の採用に当たっては、論文試験があるのだが、定番のお題に「災害対策」がある。最近の学生は多くが「自助・共助」を強調した内容を書いてくる。それが模範解答だと思っているからである。なぜそれが模範解答だと思っているかといえば、元をたどれば政府がそんなことを言っているからで、それを受けて地方自治体も似たようなことを住民にPRしているからであり、そしてさらに「これが模範解答だよ」と無邪気にふきこむ人間が彼らの周辺にいるからである。「自助・共助」は、自分を律し、助け合うことを意味しているから正しく美しい響きがあり、学生の側も受け入れやすい。

         

         しかし。役所が掲げる美名の正しさだけに目を奪われるのは最悪死につながる馬鹿馬鹿しく危ういことなのだという認識は、世間知として大事なことだ。危うさに無自覚なまま「これが正解なんでしょ知らんけど」という若人ないしはひたすらに本気で信奉している若人を放ったらかしにはできん。採用試験での有用性はあやしいものだが、大学で大学生を相手にしていると業者に徹するのは小判でももらわんとやれんわ。


        甘利に無様な敗退

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           地区シリーズが終了。ほとんどのカードが第5戦までもつれ込んだ。
           そういう中で、あっさりスウィープに終わったのがツインズ×ヤンキースの、「勝った試しがない」対決。30本塁打クインテットを擁する重量打線はしめし合わせたかのように沈黙し、何ひとついいところなく敗れ去った。いっそユニホームを縦縞に変えてしまってはどうか。

           

           アストロズ×レイズは、いつの間にか常勝軍団に加入していたグレインキーが打たれてレイズが盛り返し、前日弱気なコメントをしていたバーランダーも打たれて5戦目に突入。やはり弱気は死神を呼ぶのかと思ったが、バーランダーは「載ると呪われる」でおなじみのスポーツ・イラストレイテッドの表紙を飾っていたから、このせいだったに違いない。しかし、同じくバーランダーの隣で控え目に写っていたコールがまったく動じた様子なくレギュラーシーズン通りの快投でレイズを寄せ付けなかった。呪いも寄せ付けない男、の風格は確かにある無表情男である。サイ・ヤング賞を争っている2人だが、コールで決まりでいいんじゃないか。レイズのチェ・ジマンはやはり朝青龍がごとく俊敏な太っちょぶりで、気になる選手だ。細男の時代を変える選手にまでなれることを期待。

           

           以上、ア・リーグの優勝決定戦は、ヤンキース×アストロズ。予想オッズ1.02くらいの順当な組み合わせとなった。さっさとツインズを下し、あまり疲れていないヤンキースに分がありそうだが、さて。
           アストロズは「ダルビッシュにとどめを刺した強打者」スプリンガーが不調だと苦戦する。ただし、2017年にもリーグ優勝決定戦を戦ったこの2チームは、どちらもホームで勝つという内弁慶ぶりを発揮したので、ホームの試合が1つ多いアストロズが有利。ただし寒暖差があまりない場合はこの限りではない。

           

           ナ・リーグはいずれも5戦目までもつれた。
           カージナルス×ブレーブスは、老獪なジジイ×活きのいい若手の構図だったが、ジジイが勝利した。ジジイの象徴その1のゴールドシュミットはとかく人格者らしいが、見るからに人の好さそうなおっさん風外見をしている(薄毛にシンパシー)。この人が主砲につき全体に地味なイメージをもたらしている。そしてジジイの象徴その2のモリーナは、カージナルス一筋のチームの顔。顔つきはいまだやんちゃくれの若者風味だが、凡打で打点を稼ぐ渋いプレーがまさにジジイの狡知だ。

           

           対するブレーブスの象徴的存在アクーニャは、若い才能の塊でかつ絵にかいたようなわきの甘さ。フェンス直撃の大飛球を、本塁打と思ってチンタラ走っていたので1塁打に終わる、という甘ったれた怠慢をやらかし、チームメイトから「ぶん殴ってやろうか」と怒られているそんな選手である。「アメリカ野球は雑」のステレオタイプにエビデンスを与えている点、張本好みといえよう。

           短期決戦においては、こういうムラっ気のある天才は危ういわけだが、代わりに8番打者のスワンソンが好守にわたって活躍した。「ダイハード」の犯人グループの下っ端にこんなやついなかったっけ?という悪役三下風味の外見をしているが、カージナルスのジジイも顔負けのしぶとさを発揮し、監督からも「優勝するチームにはこういうラッキーボーイが現れるものさ」と絶賛されたが、結局最終戦は、ジジイが本気を出して猛打爆発の大量得点で全然面白くない幕切れとなった。カージナルスが勝利。

           ブレーブスもツインズ同様、「優勝するけどそれ以上進めない」のチームカラーをまるきり踏襲してしまった。ちなみにツインズ×ブレーブスのワールドシリーズ(1991)ではツインズが勝っている……。

           

           さて、問題のドジャース×ナショナルズ。終わったことを後になってああすればよかったとかこの選手を使うべきだったとかいうのはくだらないことであんなもんロバーツ一人のせいで負けたんだから!だ。
           中継ぎがリーグ最弱のナショナルズは、先発を中継ぎでも起用するという江夏豊状態でブルペンをやりくりしていたのだけど、ロバーツはそれに感化されたのだろうか。カーショウを中継ぎで登板させ、ピンチを見事切り抜けたのだけど、回をまたいでそのまま続投→2連続被弾で同点→慌てて前田にスイッチ。まずこの時点でめちゃダサい。100勝したチームが地区シリーズで浮足だって中継ぎ陣を信用しなくてワールドシリーズまでどうやってたどり着くというんだ。

           

           前田は地区シリーズ無失点の抜群の安定感を見せていたのだけど、次の回でなまじ四球の走者が出たもんだから前田に打順が回り代打降板。前回炎上したケリーを登板させ、今度はケリーが踏ん張るものの、「お、あいつ調子いいな」と回をまたいで投げさせて満塁被弾。回をまたがせている時点でマジかよなのに、塁が埋まるまでの間、監督は寝てたのか?超絶にダサい継投で負けるべくして負けたロバーツであるが、来季の続投が早々に決定。甘利明に似ているのは顔だけじゃなかったようだ。日本の有権者はちょろいからいくらでも誤魔化せるが、アメリカではどうだかな。

           

           以上、ナ・リーグはカージナルス×ナショナルズ。ナショナルズは地区シリーズを勝ち抜いたのが初めてとのことで、長らく「俺はまだ本気出してないだけ」状態だったストラスバーグが本気を出している今季、リーグ優勝を決めるか。


          ブルー・オクトーバーになるべき1文字2文字対決

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             MLBポストシーズンの顔ぶれが出そろった。今季の傾向はこの櫓を見れば一目瞭然であろう。そう、今季は1文字マーク×2文字マーク対決である。


             アメリカン・リーグはNY×TCの2文字同士対戦と、Hとワイルドカード(TB×A's)の勝者との対戦。ワイルドカードはどちらも2文字だが、2文字目が添え物のアポストロフィSにとどまり1文字感のあるアスレチックスが有利である。なぜなら片方の山が2文字同士対決である以上、1文字同士対決にならねばならないから。


             NYことニューヨーク・ヤンキースとTCことミネソタ・ツインズの対戦については、世界一よく出来た2文字ロゴデザインのヤンキースに軍配。手書きでもパソコンでもいいが、NとYを重ねると、案外バランスが悪いことに気づく。そんな食い合わせに統一感を持たせたデザインは秀逸である。一方でTCはデザイン以前にどうあがいても格好よくなりそうにない組合せ(大体TはともかくCって何だ、というと「Twin City」の略)。そもそもツインズがポストシーズンでヤンキースに勝った試しがないのでNYの勝利が既定路線であろう。

             ところで日本を代表する2文字ロゴYGはヤンキースのパクリではなく、当時はニューヨークにいたジャイアンツからの拝借(当初はYGではなく「東京ジャイアンツ」でTGだったが)。ジャイアンツのNYは、今のメッツのNYと同じようなデザインで、文字の端の部分の処理の仕方が巨人と共通である。ヤンキースのNYは、常葉菊川のユニホームを見て思いついたといわれている。


             Hのヒューストン・アストロズとA'sのオークランド・アスレチックスは、正当に1文字であるアストロズの勝ち。同じ西地区同士で10ゲーム差つけてるから順当といえば順当なんだけど。


             一方のナショナル・リーグは、1文字×2文字の対戦となる。アトランタ・ブレーブスとセントルイス・カージナルスの対戦は、セントルイスが「SL」と見せかけて「STL」の3文字あるので、この時点で正々堂々Aの1文字のブレーブスの勝利といえよう。こうなると、もう一つの山では2文字チームが勝利しなければならない。


             2文字のLA(ロサンゼルス・ドジャース)と対戦することになるワイルドカードは、ミルウォーキー・ブリュワーズ(M)と、ワシントン・ナショナルズ(W)の1文字対決。ちょうど上下線対称のアルファベット同士の対決でもあるのだが、ブリュワーズは「MB」の「重ならんだろそれ」という2文字バージョンの帽子や、アルファベットですらないグラブのイラストの帽子の別バージョンもあるため、堂々1文字のナショナルズの勝利であろう。そして、ドジャース×ナショナルズの2文字×1文字対決は、ドジャースの勝ち。根拠? 根拠ではなくドジャースは勝利が義務付けられているんである。


             なのでリーグ優勝決定戦のLA×Aの対決もLAの勝ち。根拠云々ではなく義務の話だ。
             そして、LAとワールドシリーズで対戦するのは1文字チームだから、H×NYの対決はHの勝利。つまり、今季のワールドシリーズは、ドジャース×アストロズの2年前の対決再燃になる線が最も固い。とにかくドジャースは勝たなければならない。7年連続ポストシーズン出場、そして2年連続ワールドシリーズ出場。ものには順番というものがある。LAはいい加減優勝しなければならない。2〜3回までしか負けられない戦い(地区シリーズは3戦先勝、それ以降は4戦先勝)がそこにはあるのである。

             

             だが4月からぶっちぎりでシーズン200勝くらい(全162試合)しそうな勢いで首位を独走していたチームだけにポストシーズンであっさり負けるのはいかにもありそうでもある。それでなくてもドジャースである。あっさり足元をすくわれても何も驚かない。しかし朗報が! 毎度ポストシーズンになると扇風機になる主砲細男ベリンジャーが、ポストシーズンを待たずにすでに打棒が湿っている。このため期待外れになることがない。


             まあ日本のメディア的には前田ドジャース×田中ヤンキースのカードを期待しているだろうし、ヤンキースは松井がMVPを獲った2009年以来10ぶりの王座奪還というわかりやすいシナリオも待ち構えている。そして今季は30人も怪我人を出したヤンキースならぬインジャリーズだったくせに首位を爆走するほど層が厚い。長く欠場していたスタントンなどソフトバンクに売り飛ばしてもいいんじゃないか親会社が法人税払ってないし金あるだろ、というくらい。ワールドチャンピオンも射程圏内だが、ヤンキース、レッドソックス、カージナルス、ジャイアンツの優勝はとにかくしばらく要らんのである。


             ところで大番狂わせでドジャース×レイズになれば、リュ・ヒョンジンとチェ・ジマンの韓国対決である。ナ・リーグのワイルドカードは、スズキ×ヒウラの日系人対決(ヒウラは中華系でもあるが)。そして割とどの対戦カードでもベネズエラ対決にもなる。そういうわけだから、何人対決とかどうだっていいんじゃない。あとどうでもいい余談だが、チェ・ジマンはどことなく朝青龍に似ていて気になる存在である。休場中に今度は野球を始めたという話では決してない。古い話だ。

             

             さて今季も100勝するチームが複数ある一方で、もつれにもつれたのがナ・リーグ中地区。例年なんだかんだでカブスがしれっと勝ち抜いてきた。今季前半戦パッとしなかったダルビッシュが終盤は調子を上げて無四球ピッチングを続ける復活ぶりだったのに、それと反比例するように8連敗して脱落してしまった。間の悪いお方だ。

             一方、同じ地区のブリュワーズは、主砲イエリッチが骨折で脱落したのにその後勝ちまくって首位になりそうな勢いを見せた。こちらもこちらで何だか可哀想な…。ところでイエリッチは「ッチ」でおなじみのクロアチア系でありかつ日系人の家系でもあり、当人はアメリカ生まれのアメリカ育ち。で何人ですか、といえばアメリカ人ですよ。

             

             カブスのマドン監督は契約最終年がこんなんだったせいか、今季で退任。他にもワールドチャンピオン経験者のボウチー(ジャイアンツ)、ヨスト(ロイヤルズ)といった「名将」がユニホームを脱ぐことになった。広島はこの3人から新監督を選ぶといいんじゃないか。日本の夏は過ごしやすい気候ですよ特に来年は、という誘い文句で。



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